うみがめ波瀾万丈・少年編��
校内キャンプだホイ(2007.07.21)
今回、釧路の小学校での夏休み前のイベントだったキャンプについてお話します。
でもその前についている「校内」とは何か、ですか？
読んで字の通りです。
勿論、釧路市とその周辺地域にもキャンプ場ならいくらでもあります。
実際、当時中学生だった兄は学校行事としてこうしたキャンプ場に出かけたこともあります。
ただ私の通っていた小学校では、管理面での問題か、はたまた予算面での問題か、キャンプ場に遠征することなく、普段通い慣れた学校に一晩泊り込むという行事が定例化していました。
以前は６年生のみの行事だったそうですが、私達の学年では５年生の時もやりました。
日程をずらせば両者がかち合うことは避けられますからね。
校内に泊り込むと言っても、校庭にテントを張るのではなく、教室に寝袋や毛布を各自が持ち込んで、そこで一夜を明かすのです。
今にして思えば、そのテントを張る手間を省く為にキャンプ場を借り切らなかったのではなかったでしょうか。
各クラスから炊事係、キャンプファイアー係、オリエンテーリング係などが選ばれてそれぞれの仕事をこなしていました。
炊事係は主として女子生徒、出てきた料理は確か豚汁だったと記憶しています。
体育館に机と椅子を並べ、学年全員で食事をとる光景は壮観でした。
火付盗賊係、いやキャンプファイアー係数名が、まだ火のついていない焚き木を囲み、火乞いの舞を始める。するとどこからともなく火の玉が飛んできて、焚き木に点火される。
勿論危険がないように、先生方が考えた演出でしょうが、これには度肝を抜かれました。
その火を囲み、皆でフォークダンスを踊ったりしましたが、そのダンスの曲が「マイム・マイム」（ヘブライ語で「水だ、水だ」の意）というのも、今思えば妙な取り合わせです。
手っ取り早く言えば「肝試し」のことです。
ただ、これもあくまで学校行事だから、途中３箇所のチェックポイントを設けて、自然の中を歩き回る本来のオリエンテーリングに似せて行われたのです。
確か３人一組で順々に挑戦したのですが、途中ではお化け係、いやオリエンテーリング係が様々な趣向で脅かしにかかります。[:キャー:]
それでも皆必死でチェックポイント、更にゴールを目指しました。
実はもう一つ、各クラスが出し物を披露する時間もあったのですが、それは又別の話とします。
さすがに明け方まで騒ぐようなことはありませんでしたが…
翌朝は、朝食の後少し体を動かして、その後解散となります。
しかし私は、５年の時は最後まで参加しましたが、６年の時は翌朝から家族旅行に出ることになっていて、学校には泊まらずに帰宅させてもらいました。キャンプ２日目は大したイベントもなく、また旅行初日の宿がキャンプ２日目の夜しか空いていなかったから止む無くそうしたのです。
隠れたスター軍団？(2007.07.22)
上記記事の続きです。
小学校の時の校内キャンプでは、確か夕食に続いて各クラスの出し物が披露されていました。
とはいえ、５年の時に披露していたのは自分達のクラスのみでした。というのも、当初５年次のキャンプは、自分達のクラス担任だった教師がクラス独自のイベントとして企画し、やがて他クラスを巻き込んだイベントに発展したという経緯があり、いわば協力してくれた他クラスへの感謝の意味で、何か披露しようということになったのです。
言い出したのは、クラスの中でもまとめ役と言うべき数人でした。
彼等は、クラスのお楽しみ会でも毎回寸劇を披露、クラス中を楽しませてくれましたが、そのノリで今度は学年全体を楽しまそうとしたのです。
そこで、５年次は男子全員、６年次は女子をも巻き込んだクラス全員で寸劇を披露する事にしました。
題して、「夕陽のガンマン[:VS:]朝陽のインディアン」。
インディアンの前にある「朝陽」は、単に「夕陽」の反対語というだけで深い意味はありません。
西部開拓時代を舞台に、荒野を幌馬車で移動するガンマンと、その前に立ちはだかる先住民（アメリカ・インディアン）の戦いを描いた劇で、最大の見せ場はやはりアクションシーンでした。
結末は、５年次ではガンマンの勝利、事実上の続編となった６年次はインディアンの勝利としましたが、これは一種のバランス感覚の結果です。
ただ随所に遊び心も取り入れた出来になっていました。
例えば、インディアン側が翌日の襲撃成功を祈念してパレードしたり、あるいはガンマンとインディアンの乱闘が始まる前に、双方の代表が歩み寄り、
「宣誓、我々は、ウエスタン精神に則り、正々堂々、敵をノックアウトするまで戦うことを誓います」
などと言ってみたり。
他のどのクラスの出し物よりも受けが良かったのは、まとめ役の生徒達に皆がちゃんと付いてきて、クラス一丸で取り組んだからだと思います。 それだけ、自分達のクラスには隠れたスター性を発揮した生徒が多かったのも一因でしょうが。
前代未聞のリコール劇(2007.04.17)
学級委員といえば、誰からも一目置かれるクラスの中心的存在、といったイメージがあります。
反面、与えられた任務をきっちりこなす責任感と、クラスの皆を引きつけるだけのリーダーシップやカリスマ性も求められます。単なる目立ちたがりには到底勤まらない責任重大なポストなのです。
それを痛感させられた出来事があります。私が小６のときのことでした。
それまでの私は、学級委員選出に際し自ら手を挙げることもしばしばありましたが、クラスには大概他に適任者がいて、私が選ばれることはありませんでした。
しかし、小６の１学期に異変が起きます。
この時の委員選出に際し、担任教師は「今回は最初から適任者を投票で決めましょう」と言いました。つまり自分から立候補したり、誰かを推薦したりして、その中から挙手で決めるということをやめたのです。
だから、誰が選ばれるか判らない状況でした。
投票の結果、何故かこの私が過半数の得票を集め当選しました。
その時は「これで遂に自分の時代が来たか」と純粋に喜びました。
しかしその喜びもつかの間、周囲からは「学級委員なんだからみんなの模範にならなければね」と言われました。
当時通っていた釧路の小学校は、自分が在籍していた間は一切クラス換えがありませんでした。だから、皆は私が普段から落ち着きのない、どこか頼りない感じの子だったのを良くわかっていて、「一度こいつに学級委員をやらせてみよう。そうすればその落ち着きのなさも治るかもしれない」と思って、私に１票を投じたのでしょう。
しかし、悪い癖はそう簡単には治りません。
学級委員になってからも、私にはしばしばその立場をわきまえない無責任な行動が目立ちました。その度に反省会で問題にされ、周囲からは私を学級委員として信任できない、との声が挙がるようになりました。その声を受けて私は「もし自分が学級委員として不適格なら、いつでも辞めて構いません」と宣言してしまいました。
その結果、前代未聞の学級委員リコールが成立したのです。
やはり、周囲から人望を集められない人物は人の上に立つ仕事には向いてない、と痛感しました。
それ以来私は、自分から委員に立候補する事を一切止めました。推薦の結果、他に適任者がいない時だけ仕方なしに引き受けましたが、その任務だけはきっちりこなそうと心掛けました。
高校のとき、一度生徒会長に推されそうになったことがありましたが、「その器にあらず」と丁重に断りました。あの時の経験が余程応えていたのです。
釧路から函館へ（2006.10.19）
転勤辞令が常に年度替りに合わせて出ればいいのですが、実際にはそううまくはいきません。
父の釧路転勤の辞令が下りたのも11月の中頃でした。
その父の転勤を最も恨めしく思ったのが函館転勤のときでした。
実は兄が函館の高校に進学した1976（Ｓ51）年の夏頃に、一度転勤の話が持ち上がったことがあります。転勤先は鹿児島、北国から一気に南国への移動は何かときついから、と父もこのときは断りました。
それから２〜３か月過ぎた頃、今度は函館転勤の話が持ち上がります。
それまで親元を離れ寮生活を強いられてきた兄にとっては、自宅通学が可能になるから喜ばしい事だ、と人事担当者も考えたのでしょう。
それはいいのですが、問題は転勤の時期です。
先方は、明けて77年の１月にお願いしたいと言ってきたのです。
これを聞いた私は、冗談じゃないと思いました。
当時私は小６、その３学期を前に釧路から函館に転校するのはやはり抵抗があったのです。あとわずかで卒業、やはり通い慣れた釧路の小学校で卒業式を迎えたい、それが偽らざる本音だったのです。
私は父に、何とか転勤の時期をずらすことは出来ないか、出来ないならせめて自分だけでもあと３か月釧路に住む事は出来ないか、と頼みました。しかし父は、これは航空局全体が関わる人事異動だから一人の都合で先延ばしには出来ない、それに自分一人釧路に残ると言っても頼れるあてなどないのだから諦めなさい、と言い切りました。釧路には親戚縁者はなく、級友の家に下宿するのも先方に迷惑だからです。
そこまで言われれば、諦めるより他はありません。
こうして、丁度釧路に転居してから３年後の77年１月13日、我が家は函館に居を移しました。
卒業式雑感（2009.03.17）
今回は卒業式について色々と思うところを。
式次第を見ると、大体校歌斉唱、校長祝辞、来賓祝辞、卒業証書授与、在校生送辞、卒業生答辞などと続くのが定番ですが、この送辞や答辞も、かつてはそれぞれの代表者が読み上げると言うパターンが一般的でした。
しかし、私が小学生だった頃は、呼びかけ形式が主流となっていました。
これは、全員の中からたった一人の代表者を選んでいたのでは民主的でないという判断からなのでしょう。
しかし、いくら呼びかけ形式にしたところで、そのスタイルは大概各クラスから４〜５人ずつ選ばれた代表者の先導に続いて全員で唱和するというもので、結局代表者が一人から数人に増えただけに思えてなりません。
どの道私は代表に選ばれませんでしたが。orz
これも昔は「仰げば尊し」「蛍の光」あたりが定番でした。
しかし、丁度私が中学を卒業する頃に、その後の定番曲となる「贈る言葉」がヒットします。
この曲が主題歌に使われたテレビドラマ「３年Ｂ組金八先生」の名場面とともに記憶している方も多いことでしょう。
ただ、この歌を作詞し、ドラマでも主演した武田鉄矢氏によれば、実はこの歌、元々は失恋]を歌ったものだそうです。
なるほど、歌詞を読み返してみると、そんなニュアンスも感じられます。
とはいえ、歌の内容が別離全般に通じていることから、今では卒業ソングとして定着したわけですね。
この卒業ソングも、毎年新たな曲が生まれているそうですが、やはり長年歌い継がれたものがしっくり来るように思います。
Ｉ・愛・eye (2008.10.10)
10月10日は目の愛護デーですが、皆さんは目を大切にしていますか？
幸か不幸か、私は生まれてこの方眼鏡やコンタクトレンズといった視力矯正のための道具のお世話になったことがありません。
大体私の視力は、両眼とも1.0〜1.2の辺りで推移していますが、一度だけそれが落ち込んだことがありました。
小６から中１にかけて、一時的に0.7〜0.8となっていたのでした。
この時は、いずれ眼鏡のお世話になるかもしれない、と覚悟していました。
というのも、私の父も眼鏡のお世話になっていたからですが、彼の場合、眼鏡のお世話になりだしたのは就職してからしばらく後のことでした。現に、父が就職したての頃の写真を見ても、当時は眼鏡をかけていませんでした。
しかし、私の視力はその後持ち直し、高校進学の頃には再び1.0〜1.2が見えるようになったのでした。
これは仮性近視といって、学校で視力検査を実施するのは大概、眼科に関しては専門外と言っていい養護教諭であることから、人によっては実際の視力よりも低く判定してしまうのが原因で起こるいわば「にせものの近視」です。
どうしても気になれば、眼科医に相談するところですが、私はそれほど悲観していなかったせいか、精密検査を受けることはありませんでした。
そして本当に、仮性近視は自然軽快したのでした。
かつては海水浴やプールに行くと、必ずと言っていいほど流行性角結膜炎（俗に言うはやり目）、あるいは麦粒腫（ものもらい）にかかる子供が多く、兄もその例外ではなかったのです。（これも幸い私はかかったことがない）
その度ごとに、眼帯をつけて帰宅する兄を見て、哀れみを感じずにはいられませんでした。
高校や大学に在学していた頃、学園祭向けに発行されるパンフレットには、その学校の学生の特徴として「眼鏡をかけた人が多い」という記載が必ずと言っていいほどありました。
どうも世間のイメージとして「秀才＝眼鏡」というステレオタイプが出来てしまっているようで、非眼鏡族の私としてはどうしても違和感がありました。
こんなに違う〜いじめ撲滅の願いと共に（2006.10.19）
小学校卒業目前での転校は確かにショックでしたが、考えてみればそれまでに２回転校を経験していたから、意外に早く立ち直りました。
中学校はただでさえ小学校とは雰囲気が違う。まして進学に際し、周りが全然知らない人ばかりでは馴染むまでに時間がかかるはず。その点、たとえ実質２ヶ月でも函館の小学校に行っておれば、中学校に進んでも多少は知った人がいるから安心できる。そう思い直すことにしたのです。
私の通っていた中学は、１学年10クラスのマンモス校でした。小学校の時は、学校にも依りますが大体１学年３〜５クラスでしたから、いかに大きかったかがわかります。しかも、できるだけ多くの生徒と交流できるように、との趣旨で毎年クラス替えをしていました。これも小学校の時は、東京では２年ごと、釧路では実は３年から６年までクラス替えなしでした。クラス替えは頻繁にしたほうが良いか、ずっと持ち上がりのほうが良いかは判断の分かれる所ですが、私としては、新たな出会いの機会が増える前者のほうが良かったように思います。
校舎は一部木造で、冬場の暖房は石炭ストーブでした。（これは釧路の小学校にも言えること）
ところで、自分もかつていじめの標的にされたことがありました。
でもそれは、決してクラスの全員を敵に回すような陰湿なものではありませんでした。ただなんとなく周囲と異なる空気を感じる、そんな排他的性格の輩数人が「あいつからかえば面白いや」と絡んでくる、その程度でした。そうした傾向は、実は田舎に行けば行くほど顕著（釧路＞函館＞東京）でした。
でも、からかわれたほうは面白くないわけで、そのエネルギーのはけ口を求めて更に弱い者に八つ当たりしてしまう、そんな悪循環に陥る事もしばしばでした。ただ八つ当たりされたほうも決して黙ってはいない、いずれ手痛い逆襲を受ける、その繰り返しでした。
確かに人間的には出来ていませんでしたが、いじめや嫌がらせに屈しなかったという限りでは、打たれ強かったように思います。
いじめを苦に自殺、という最近のニュースに心を痛めている方は多いでしょう。自殺に追い込まれた子は、それだけ繊細な心の持ち主だったのでしょうが、その子がいなくなったところで、いじめっ子は又新たなターゲットを物色するだけです。結局、根本的な解決にはなりません。 いじめに悩む子供達には、次のようなメッセージを送りたいと思います。
いじめに屈せず生き抜け、そしていつかいじめた奴等を見返してやれ、と。
学習教材あれこれ(2007.05.30)
「私的昭和テレビ大全集」の「旺文社 カセットＬＬ」の関連記事
皆さんは、Language Laboratry（語学研究所）略してＬＬって聞いた事がありますか？
町中には今でも「ＬＬ教室」という看板をたまに見かけますし、私が通っていた大学にもＬＬ教室がありました。生徒一人一人の机がブースのように仕切られていて、ヘッドホンとマイクロホンをつなぎ合わせたような「ヘッドセット」なる道具を使い、模範発音と自分の発音とを聞き比べる、そんな語学教育のスタイルがＬＬでした。
そんなＬＬ教室で使われていたテープレコーダーが実は一般家庭用にも出回っていたって知ってました？
それが元記事で紹介されている「カセットＬＬ」です。
教育図書出版で知られる旺文社が、語学教材のテープとセットで売り出したレコーダーですが、これに限らず当時は各社からＬＬ対応のレコーダーが発売されていました。
実は我が家の２代目カセットレコーダーもそうでした。
1968年頃最初のカセットレコーダー（松下製）を購入したのですが、それから３年余で不具合を来すようになりました。兄や私が手荒に扱ったのが主な原因です。
そこで父は買換えを検討したのですが、その際に候補に上がったのがＬＬ方式のレコーダー（ソニー製）でした。
いずれ子供達も語学学習をするようになるから、と先行投資のつもりもあったかもしれません。
とはいえ、実際に語学学習のためにこのレコーダーが活用される事はありませんでした。
その代わり、ＬＬ方式の特徴を生かしたこんな使い方をしていました。
ＬＬ方式とは、既に録音された模範発音の上に自分の声を重ねて録音できる機能ですが、これを応用し、通常モードで録音されたテープの上に、別な内容を重ね録音するという裏技を編み出したのです。
これにより、テープが二倍使え経済的でした。
さて、カセットＬＬ以外にも、元記事の本文やコメントには様々な学習教材にまつわる思い出が綴られていますが、私からも２つほど。
リコー・マイティーチャー
「僕、マイティーチャーで勉強しています」
「オイも」
「私も」
「オラも」
こんなテレビＣＭで知られた学習教材ですが、実は私の家にもセールスマンがやって来たことがあります。確か私が小４の時でした。
機材について一通りの説明を受け、傍でそれを聞いていた私は「結構面白そうだな」と思いましたが、購入の権限を握る母の答えは「検討させて頂きます」、つまり遠回しのお断りでした。
家には大層教育熱心で、少々口うるさい家庭教師がいたから、購入の必要性を感じなかったのです。
馬のマークの参考書（受験研究社）
私の高校在学当時、この会社が受験生にエールを送る内容のラジオＣＭを流していたのですが、そこに自分の通っていた高校の先生が出演していたのです。
ＨＢＣラジオで午前０時の時報前に流れていたのですが、たまたまそれを聴いたある生徒がこれをテープに録音し、昼の校内放送で流した事から、普段ラジオなど聴かないという人も含めた全校生徒の知るところとなりました。
家庭教師は父だった (2006.10.20)
家庭の事情で大学進学を断念した父は、その思いを私達息子に託しました。
一般に子供の教育に熱心なのは母親と言われますが、我が家ではむしろ父親が教育熱心でした。とはいえ、高価な教育機材を買い込んだり、学習塾に通わせたり、あるいは家庭教師をつけたり、といったことはしませんでした。お金がかかるからです。せいぜい参考書や問題集を買う程度でした。それでも２人とも大学進学を果たせました。何故かというと、父が私達の勉強を見てくれていたのです。
幸い、父は中学レベルの数学や理科なら理解できました。そこで、自ら息子の勉強に付き合っていたのです。悪態をつかれることもしょっちゅうでしたが、もし父がいなければ、今日の自分はなかったかもしれません。
とはいえ、父の時代には無かったテレビをはじめとする様々な誘惑に打ち勝てるほど私は強くありませんでした。それに、元々記憶力もあった兄に比べ、私はそれほど頭も良くありませんでした。そもそも何の為に勉強するのか？親を楽させるためか？そんな疑問もわいてきました。これに対し父は、誰の為でもない、自分の為の勉強だ、と諭しました。曰く、
「スポーツ選手になろうにもお前には運動のセンスが無い。音楽や美術といった芸術の道に進もうにもそのセンスも無い。社会の底辺で気楽に生きるのも一つの生き方だが、それでは何の為の人生かわからない。どんな事でもいい、人から注目されるだけの存在になろうと思ったら、今のお前には勉強しかない。そうすることで、お前を変人呼ばわりする奴等を見返すことも出来る」
そう言われれば、それに従うより他ありません。
だから、兄と私が共に函館の私立高校に進学し、そこから更に四国の国立大学に進学できたのは、全て父のお陰と言っても過言ではありません。
本当は、このとき掛けられた世話を、その何倍も返してあげたかったのですが… 「孝行したい時親はなし」とは良く言ったものです。
インターナショナル・ゲーム (2007.01.31)
ブログを巡回していると、よく「トラックバック・バトン」という記事にお目にかかります。
いくつかの質問項目と共に「この記事を見た人は必ず同様の記事を書くこと」あるいは「最後にこの記事をリレーしたい５人を指名のこと」とある記事です。
私など、ネタに困った時には受け取ってもいいかなとは思いますが、今の所はこの手の記事を見かけても、読み逃げ状態です。
それには、私が中学生だった頃のこんな経験が影響しているのかもしれません。
ある日、私の元に一枚のはがきが届きました。
差出人の欄には４人の名前が書いてあり、その中で４番目に書いてあったのは、私が釧路の小学校にいた頃の同級生（女子）でした。その人からは今まで手紙なんてもらった事も無いのに、と思いながらはがきを裏返すと、そこにはこう書いてありました。
インターナショナル・ゲーム
決して悪意のゲームではない、とも書いてありましたが、当時社会問題となっていた「不幸の手紙」の変形ではないかと考えた私は、かつていた学校の同級生や親戚の子にこれを出しても迷惑するだろうからと、そのままにしておきました。このはがきを受け取ってから10日以内に、５人の人に同じ文面のはがきを出して下さい。差出人の欄は、４番目にあなたの住所・名前、１・２・３番目にはそれぞれこのはがきの２・３・４番目に書かれた人の住所・名前を書いて、１番目の方には絵はがきを出して下さい。 そうすれば１か月後には、あなたの元に125枚のはがきが届くでしょう。 もしそのままにしておくと、このゲームはストップしてしまいますので、是非ともあなたのご協力を宜しくお願い申し上げます。
きっと私にこのはがきを出した女の子も、受け取ったはいいがその処理に困った挙句に私へ送りつけたに違いない、そう思いました。
あれから時代は移り、通信手段にネットやメールが加わった今日、かつての不幸の手紙はチェーンメールに、インターナショナル・ゲームはトラックバック・バトンに形を変えました。
本来通信とは、各人の主体性で発信されるべきもので、他人から強制されてするものではないはずです。ＴＢバトンも、受けたいと思う人が受ければいいのであって、「これを見た人は…」と強制するのはいかがなものか、と思います。
ですので、私がバトン記事に足跡だけつけている状態でも、決して気を悪くなさらないで下さい。