雑学の部屋��
クリスマスソング考（2006.12.19）
皆さんは、クリスマスソングと聞いて、まず最初に何を思い浮かべるだろうか？
私は、月並みだが「ホワイト・クリスマス」をまず思い出す。確か世界最大のミリオンセラーとして、ギネス認定されたはずだ。
「毎日が明るく楽しく過ごせるように そしてクリスマスは一面の銀世界になるように」（うみがめ訳）と歌うこの歌は、老若男女を問わず全ての人々に向けられたメッセージであるように思う。
クリスマスソングの定番として「ホワイト…」と並び称される「ジングルベル」は、実は直接的にはクリスマスのことを歌っていない。
「鈴を鳴らしながら一頭立ての馬そりに乗るのは楽しい」（うみがめ訳）と歌っているのであって、これをクリスマスソングと決めつけるのは無理がある。確かに冬の歌ではあるが。
こうした楽曲は、私が子供の頃からクリスマスソングの定番だった。
かつてクリスマスと言えば、家族や気の合った友人と、写真に上げたようなケーキや様々な料理を囲んでのパーティーを楽しむのが一般的だった。
それが、丁度バブル景気の辺りからだろうか、恋人同士が夜景を見ながらレストランで食事、そのまま高級ホテルで一夜を共にする、という過ごし方がメディアを通して広まった。
そうした風潮を象徴する曲として「クリスマス・イブ」や「ラスト・クリスマス」が上げられる。
しかし、歌詞を良く読み返して見るとわかるが、実はいずれも失恋の歌である。
それを恋人同士が仲良く語らう場面のＢＧＭに使う感覚を疑わずにはいられない。
まあ、考え方を変えれば、これらの歌の主人公のように一人きりの寂しいクリスマスにならなくてよかったね、という演出なのかもしれぬ。
コメント欄から
○そういわれてみれば、そうですね。おかしなことですが『ラスト．クリスマス』好きなのでリクエストしたりしていました。ユーミンの『恋人はサンタクロース』も、ハッピーな曲調が気に入っています。（ナナ）
●クリスマスソングとして有名なものの殆んどは、その内容を問わず長調で書かれており、そのことで明るい内容と錯覚してしまうのでしょう。（うみがめ）
○うちの娘は毎日
真っ赤なお鼻のトナカイさんはーと歌っています！（さだ）
●「赤鼻のトナカイ」については、確か絵本から生まれた歌だった、とどこかで聞いた事があります。
仰る通りこれもクリスマスの定番ですね。（うみがめ）
○クリスマスキャロルとは一連のクリスマスソングのことだ、と某携帯サイトで先日初めて知りました。
さて、ずっと考えていきますと、そもそもクリスマスケーキを食べるのも日本だけですから、これもおかしいということになります。クリスチャンにすれば「そんな騒いでないて、誕生を静かにお祈りしろよ」といいたくなることでしょう。
そういうことも手伝って、長いものに巻かれるのが嫌いな私は、毎年クリスマスには服部克久のアルバム「音楽畑５」に収録されている「想い出のクリスマス」を聴くことにしています。これなら同じことをしてる人は少ないでしょうし、ボーカルの殆どない静かな曲です。興味関心のある方はぜひどうぞ。以前はクリスマスそのものにソッポを向いてた時代もありますけどね。
なお年末は、以前も書き込みしたＳＵＰＥＲ４（cobaさんの入っていたユニットです）の「第九」を聴くことにしてます。ベートーベンの第九をサンバ風にアレンジしたものです。岐阜県交響楽団は「新世界より」（これも一種の第九です）を年末の定演でやったっけ。（かじか）
●「想い出のクリスマス」は、私も知りませんでした。機会があれば聴いてみたいと思います。
仰る通り、クリスチャンにとってはキリストの生誕を心静かに迎える日というのがクリスマスですが、実は12月25日が本当にキリストの誕生日という確証はないのです。
ローマの冬至の儀式と結びついたもの、というのが本当のところだそうです。 （うみがめ）
○ま、西暦がキリストの誕生年に基づく、ということだって今や誤りとされてますしね。ただ、騒ぎたい日本人の場合、正誤よりクリスマスというものが存在してればそれでいい、というのがホンネだろうと思います。（かじか）
●まったくその通りだと思います。 ハロウィーンの時も確かそんな記事をＵＰしたと思いますが、本来神聖な宗教行事をただのお祭り騒ぎにしてしまうのがこの国の悪い癖です。（うみがめ）
○真っ赤なお鼻のトナカイさんが好きですぅ。≪ポッ≫
＊ホワイトクリスマスの原作者は、こだわり強い方のようですネェ。（リンク先参照）（ハニー）
●リンク先拝見しました。
原曲のイメージを損ねる為、原語（英語）以外で歌うこと罷りならぬ、とは相当な拘りですね。
でも実際には結構日本語版も発売されているから、その拘りも案外いい加減なのかも。（うみがめ）
○クリスマスは雰囲気の問題ですよ♪
若ければなおさら・・・
ラスト・クリスマスやクリスマス・イブ をＢＧＭに キャンドルの明かりで見つめあっちゃったり。
・・・私も２０歳若かったらやってみたい♪ （momo）
●まあ、確かに理屈ばかりこねるのも無粋というものですね。（うみがめ）
クリスマス雑感 （2007.12.21/2008.12.25）
今でこそクリスマスは、若者達が心躍らせる日となっています。
私も大学時代に一度、学生有志主催のクリスマス会と名乗る合コンに参加したことがあります。
えっ、成果はどうだったですか？
もしそこで成果が出ていれば、その後結婚までに苦労する事はなかったはずですが…
家族揃って、あるいは仲のいい友達とパーティーを楽しみ、サンタクロースからのプレゼントを心待ちにする、そんな特別な日です。
でも世の中には、そうした幸せなひと時を過ごせない人もいます。
そもそも、我が国でクリスマスが一般的になったのは第二次大戦後のことでした。
ただ当時はどこも焼け野原で、人々は衣食住に事欠いていました。
そうしたことから、日本におけるクリスマスは当初、そうした恵まれない人たちへの施しという側面が強かったといいます。
救世軍による社会鍋やＮＨＫが主催する歳末たすけあいがこの時期に行われているのも、それと無縁ではないように思います。
そうした歳末恒例の慈善事業は、夏の終わりの24時間テレビ同様、今や年中行事として定着しています。
私も高校在学中に、同じ宗教団体が運営する養護施設に住む、訳あって親と同居できない子供達のために、古着や本を贈ったりする「クリスマス・バスケット」に協力したことがあります。
高校卒業後は久しくそうした活動からは離れていたのですが、一昨年（2005）久々にその施設に古着を送りました。
施設長からは直筆の感謝状を頂き、やはり人の役に立てたんだなと実感しました。今後も出来るだけ協力したいと思います。
そうした気持ちを持たぬよう強く戒める寓話が、イギリスの小説家、チャールズ・ディケンズ（1812-70）の「クリスマス・キャロル」です。
強欲で利己的な初老の男が、三人の精霊の導きによって改心するまでを描いた作品ですが、決して上から目線の説教臭い話になっていません。これには、作者自身が貧しい中から身を興し作家となった経験に基づき、社会の底辺に生きる人々の視点から人間愛を説いたことが影響しているように思います。
全ての人類がそうした人間愛を持てれば、陰惨な事件など起きるはずはないのですが…
話は変わりますが、クリスマスケーキと言えば、皆さんは何をまず想像するでしょうか？
最近では、本場ヨーロッパ各国のケーキ（ブッシュ・ド・ノエル、シュトレン、パネトーネ…）も広く出回るようになりましたが、日本でクリスマスケーキと言えば、スポンジケーキにホイップクリームやバタークリームを塗り、砂糖細工のサンタクロースやクリスマスツリー、あるいはイチゴやチョコレートを飾りつけたものが一般的ですよね。
その起源は1910（Ｍ43）年の不二家創業まで遡るそうです。同社が1922（Ｔ11）年頃から上記のようなケーキを店頭販売するようになったことで、急速に広まったそうです。
また一時期、全てアイスクリームで出来た「アイスケーキ」なるものも出回っていました。特に私が子供だった頃はアイスケーキも盛んに売られていました。
ところで、実はクリスマスケーキという言葉が食べ物以外の意味でも使われるって知ってました？
「25を過ぎると売れない」の連想から「婚期を逃した女性」に喩えられるというのですが、今時は30過ぎで結婚する女性も珍しくないことから、その喩えも古臭いものとなったようです。
コメント欄から
○そうですね〜。
色々な人がいますからね〜。
私も、近くの孤児院の子供がお正月に来た時 お年玉を渡したら、１０００円札なのに、嬉しそうじゃなかったんです。
彼らがいつも手にしていたのは、５００円玉や１００円玉だったんですね。
クリスマスの楽しみ方も、喜び方も、きっと違うんだろうな〜って思いました。
でも、色々な支援があって、いつも感謝を表す子供を見ていたら 恵まれすぎている私達は、幸せが何かわからなくなって いるのかもしれませんね。（さゆり）
●何が幸せかは人によって様々だとは思いますが、私はやはりどのような境遇にあっても愛に溢れていることではないかと思います。（うみがめ）
○ときどき慈善されたい側にいる自分に気が付くと、情けなくなるのでした。
マザーテレサなど典型でしょうが、その何万分一でも心がけられれば・・・。
しかし、その善意で全ての貧しい人が豊かになることが無いのも、 一方の事実ですね〜。
せめて心ぐらいは豊かになりたいものです。 （liuring）
●確かに、あの方のような無償の愛を全ての人に分けてあげることは一つの理想ですが、なかなか実現できないのが本音ではないでしょうか。 （うみがめ）
○クリスチャンじゃないのにクリスマスにウキウキしてしまう我が家ですが・・・(^^ゞ
この日ばかりは世界中、平和な日であってほしいなぁ〜（かな）
●あと、私の通っていた高校ではクリスマス会と称して、市民会館を借り切っての文科系クラブの発表会をやってました。
ほんと、その日だけでも世界中の人が平穏に過ごすことを祈るばかりですね。（うみがめ）
○もうすぐ40ですけど まだまだ食べごろですよ(爆 （かおりん↑）
●そうそう、今時は「アラフォー」と呼ばれる40前後の女性が一番元気ですからね。（うみがめ）
はちまんさま（2009.01.04）
皆さんは初詣に、どちらにお参りされるでしょうか？
一口に神社といっても、以前取り上げた稲荷神社もそうですが、大体全国に似たような名称の神社が点在する場合が殆んどですよね。
何れも御本尊を各地に分霊したものですが、それは一般に「はちまんさま」と呼ばれる八幡宮にも言えることです。
その数は全国に１万とも２万とも言われ、お稲荷さんに次ぐ数だそうです。
第15代・応神天皇（在位270〜310年）及び神功皇后（その母）、比売神（その妃）が祀られていて、その総本山は大分県の宇佐神宮と位置づけられています。 他地域の八幡宮では、特に京都の岩清水八幡、鎌倉の鶴岡八幡が有名で、宇佐と並んで「日本三大八幡」と呼ばれています。
鶴岡には私も何度となく訪れましたが、やはり初詣の人では半端ではありませんでした。
ところで、函館にいた頃、地元で一番人出の多い初詣スポットといえば、函館八幡でした。
谷地頭の電停からまっすぐ参道が伸びている、市のランドマーク・函館山の南東側の麓にある神社ですが、交通アクセスもいいことから市内及び周辺市町村では最大の人出となっているようです。
一方、私が今住んでいる近所にも八幡宮があります。
高知駅から南に約400m行ったところに高知八幡宮があります。
規模としてはそれほど大きくはありませんが、自宅から歩いていける気軽さから、ここにお参りに行く機会も多いのです。実は今年（2009）もここにお参りしました。
本殿のすぐ隣が釣船神社となっていて、俗に「きすご様」と呼ばれるように、格子戸にはキスゴ（魚の一種）の絵がぎっしりと飾られています。
熱さましにご利益があるとのことで、年末高熱に悩まされたのが年が明けて落ち着いたのは、きっとこの神社のご利益もあったからでしょう。
コメント欄から
○たまたまＴＶのクイズ番組で観た受け売りですが その神社やお寺さんを大小併せて 全国に20万とも30万ともあるらしいですね！
これらがみんな税制優遇を受けていると考えると・・・
チト複雑な気持ちですね〜〜〜。（liuring）
●神社仏閣が全国で20〜30万ですか、勿論彼等の多くは金儲け第一主義に走ることなく、全うな宗教活動をしているのでしょうが…（うみがめ）
○例年だと日本3大稲荷の一つと言われている高松稲荷、そして時に氏神様に参っていましたが、今年はこちらが参ってその気力も無しというところでした。
昨年から新しくなった菩提寺で元日10時より初参りの会があるので、そちらにも参ろうかとも思っています。（sakura）
●高松稲荷、過去ログで言う「最上稲荷」ですが、その記事でも取り上げたように、日本三大稲荷の定義は地域によっても若干異なるところがあるようです。
三大八幡宮にしても、鶴岡の代わりに福岡の筥崎宮（はこざきぐう）を挙げる場合がありますから…（うみがめ）
○そういえば〜 初詣は行ってません。。（実夢）
●私自身、年によっては仕事始めの後にお参りすることもあり、いつ行くかは全くの気まぐれと言っていいでしょう。決して信心深いわけではありませんので…[:汗:] （うみがめ）
合格グッズあれこれ（2009.01.16）
毎年受験シーズンになると、あらゆる形で合格祈願のお守り代わりとなる商品が出回りますよね。
「けっ、つまらん。そんなものに頼らなくても、俺は自分の実力だけで合格してやる[:ムカッ:]」
そんな風にうそぶく同級生もいましたが、しかし「運も実力のうち」と言うように、全くの自力だけで合格を掴もうとしても、なかなかうまくいかないものです。
とはいえ、最近スーパーやコンビニなどに氾濫する「ウカール」「ハイレルモン」「キットカツ（ト）」などの験かつぎ菓子、あれはやりすぎの嫌いもあるように思います。
下手な商魂に踊らされるのもどうかとは思いますが、それでも持っていると安心なのが合格グッズです。
そんな合格グッズの定番と言えば、四国あたりでは学駅の入場券がまず思い出されます。
四国山地を横切る形で路線が延びる徳島線は、吉野川に沿って徳島と阿波池田を結ぶ路線ですが、そのほぼ中間あたりに位置するのが学（がく）駅です。
学とはこのあたりの地名から取った駅名ですが、そのいわれは阿波の国の学問所が近くにあったためとのことです。
その学駅の入場券の右端には「入 学」と書いてあるのです。
これが受験生の間で評判となり、とりわけ受験シーズンになると「御入学」の語呂合わせから５枚まとめて購入する人も多いのです。
現在では学駅だけでなく、四国内の主要なＪＲの駅、更にネットでも販売される人気振りです。
ただこの徳島線という呼び名が「得しません」に通じるのを忌み嫌ってか、最近地元では「よしの川ブルーライン」という愛称で呼ぶことも多いとのことです。
この手の駅は各地にあるようで、例えば和歌山県中部を走る紀州鉄道には学問（がくもん）駅が、同じ和歌山の南海高野線には学文路（かむろ）駅があって、学駅同様入場券が受験生に人気だそうです。
高知駅の西隣にも入明（いりあけ）という駅がありますが、「入るのは明らか」に通じることから、その駅の駅名表示板を模ったキーホルダーが売り出されているとの事です。（入明駅は無人駅ゆえ入場券は発行していない）
言うまでもなく「勝つ」に引っ掛けてのことですが、私が通っていた国試予備校では、カツ以外に天丼も振舞っていました。「点を取る」に引っ掛けてのことです。
そこで職員に冗談めかして「あとこれに山掛け丼が加わったら最高なんだけどね」と話したところ、「山掛けは生もの、衛生上差し控えている」と言われてしまいました。orz
そう思っていたら、受験の前日、家での晩御飯に山掛け丼が出ました。
母に言わせれば全くの偶然とのことでしたが、これに勇気付けられたのを覚えています。
どうか受験生の皆さんには、自分の実力を信じ、勝利を勝ち取って頂きたいと思います。
コメント欄から
○スパイクタイヤが使用禁止になったころ、 このスパイクの鋲を作っている会社が、 滑り止めお守りとして、ＧＳなどで売ってました。
いろいろ、合格グッズありますけど、 ステーキとカツを前日に食べると言うのは、 今でも替わらないみたいですね。（Colour）
●なるほど、「敵に勝つ」の洒落ですね。
ところで、「滑らない」ということで言えば、階段の縁に貼り付けるゴム製の滑り止めも験かつぎになるのでしょうか？（うみがめ）
○メグミルクから発売されている（かつては雪印から発売）北海道限定の乳酸飲料「カツゲン」シリーズは、この時期受験バージョンのパッケージで発売されています。
商品名から「げんをかつぐ」「試験に勝つ」というイメージを連想させるのでしょう。
メグミルクの札幌工場には「勝源神社」が開設されていて、受験生がお参りに来るそうです。 （北国の人）
●カツゲンとは懐かしい響きですが、そうですか、これも今は合格グッズになっているのですね。
カツゲンの歴史については「乳酸菌飲料あれこれ」（「食べ物談義」参照）もご参照下さい。（うみがめ）
○将来ある学生さんにはこれらのグッズは心のよりどころですね
私も資格の試験であやかりたいです
そういえば競馬場の食堂で「勝丼」がありましたよ（うす）
●なるほど、勝負事全般で「カツ＝勝つ」のげん担ぎがなされている訳ですね。（うみがめ）
どうしても賛否が分かれる日（2009.02.11）
２月11日は「建国をしのび国を愛する心を養う」と祝日法で定められた建国記念の日である。
とはいえ例年この日は、奉祝派と反対派とがそれぞれの立場で式典や集会を開くという、一種独特な日となっている。
それこそ以前「祝日って何だっけ」という記事でも取り上げた、「祝日とは自由と平和を求めてやまない日本国民が、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日」という祝日法の規定から考えれば、はなはだ疑問視せざるを得ない日となっている。
そもそも、人に誕生日、夫婦に結婚記念日、学校や会社などに創立記念日があるように、国にもその成立（建国）を祝う記念日はあっていい。
ただ、その日をいつにするかが問題だ。
諸外国の例を見れば、植民地支配からの独立、国家体制の変化、あるいは革命記念日を建国の日としている場合が多い。
翻って我が国の場合は、日本書紀に記された神武天皇の即位日（辛酉年春正月、庚辰朔）をグレゴリオ暦に当てはめた紀元前660年２月11日をその日と定めている。昔の紀元節である。
紀元節は1948（Ｓ23）年制定の祝日法で廃止されたが、保守派を中心に復活を望む声が上がり、1957（Ｓ32）年には建国記念日制定関連法案が自民党議員によって提出された。しかし当時の社会党の反対により不成立に終わった。
その後法案は何度となく提出されては却下されることを繰り返したが、結局名称を「建国記念の日」とすることで、建国されたという事象そのものを記念する日とも解釈出来るようにしたことで社会党も妥協、66年６月に改正祝日法が成立、翌67年からその日が設けられることとなった。
ただ祝日法では、建国記念の日を「政令で定める日」として、具体的な日付を指定していない。
そこで別途政令を定めることとなったのだが、それに先がけ学識経験者などからなる審議会が作られた。
審議会の依頼を受け、建国記念の日をいつにするかの世論調査が行われたが、そこで上げられた選択肢には２月11日のほかに５月３日（社会党案・憲法記念日）・４月28日（公明党案・講和条約発効の日）・４月３日（民社党案・聖徳太子の十七条憲法発布の日）あるいは８月15日（終戦記念日）もあったという。
その世論調査でも、２月11日を推す意見が約半数を占めたことから、審議会としても２月11日を支持、かくして「建国記念の日は２月11日とする」と定めた政令がその年の12月に公布された。
とはいえ少数意見の中には、「そもそも建国記念の日を設けること自体反対だ」と質問の趣旨にそぐわない回答もみられたという。
繰り返しになるが、国の成立を祝う日はどこの国にもあるはずだ。
それが何故２月11日か、と疑問に思うならまだしも、そんなものいらないと考えている人がいるなんて、理解に苦しむ。
コメント欄から
○国には人格はないので、人間と国とは根本的に違いますから、基本的には必要ないと思いますが、 どうしても必要だと主権者国民が思うのであれば、 すでに「今の国家」が成立した５月３日（憲法記念日）があるので、その日を「建国記念日」だと思えば宜しいのではないでしょうか。（戌年男改め隼人＠神戸）
●なるほど、もっともなご意見ですね。
ただその論理に従えば、創立記念日に式典を行ったり休みにしたりするのも「学校や会社に人格はないのだからナンセンス」となってしまいますが… （うみがめ）
○その通りです。
「学校や会社は人間のためにある」のに、「人間が学校や会社のために式典をする」のは、本末転倒ですから、 基本的には、それらの創立記念日は必要ないと思います。
でも、この考えだと、休みが減るので賛成者が少ないですかね（笑）。
なお、 すでに書かれていることでもありますが、 国であれ、学校であれ、それぞれの歴史があるので、あまり一般論で議論するのは、好ましくないとも思っています。
日本が、例えば、選挙の重大な争点になり国民が選択した結果、日米安保条約を破棄し、アメリカへの従属を解消したとき、 国民が重要な日であると思えば、それが記念日になるのでしょうね。
（私は、それでも、法律で記念日にする必要はないと思いますが、 主権者国民の総意としてあえて法律で明記したいというのであれば、あえて強く反対することはしないかもしれません。）
今の建国記念の日とは全く重みが違うでしょうね。（隼人＠神戸）
●「いや、学校や会社は法人とも言う。その限りにおいては人格は存在する」という反論を期待していただけに、あっさり肯定されるとは意外でした。
でも、私とは異なる考え方を示して頂けただけでも収穫です。（うみがめ）
○名目はともかく、最近は「今日なんで休みなんだっけ？え？？あそう・・ふーん・・ま、休みなら何でもいいやｗ」って休める日が出来るのはなんであれ歓迎という人も多いのでは？
そういえば、建国の歴史について普段考える事ってないなぁ・・数ある祝日の一つでしかない感覚になってますねえ・・（まだらや）
●祝日の意義について、特に近年は「ハッピーマンデー」と称して元々の祝日に近い月曜日に固定するようになりましたが、あれによって祝日は、その意義を全く無視した単なる休日という考え方が蔓延するようになったのではないかと思います。（うみがめ）
○今日が何の日で休日なのか、それさえ知らないで休んでいる人が多いでしょうね。何の日かわかったとしても、そこでその意味を深く考える人がどれだけいるか。私も「お休みでラッキー！」としか考えません。そこを考えるよりも目の前の生活で頭が一杯です。でも、ここでちゃんと考えていらっしゃる方がいるということ知っただけでも建国記念日を少しではありますが、意識できました。（りひりひ）
●北方領土に関する記事（「うみがめ見聞録」参照）もそうですが、今回の記事も、今日がなぜ休みかの意味を提示し、皆さんにも考えて頂こうという問題提起を狙ったものです。
確かに、日常に埋没している限り、そうした事柄を考える機会もないかもしれません。（うみがめ）