雑学の部屋��
ご贔屓三点セット（2006.12.17）
まず、県民性を探る上でポイントになるご贔屓三点セットについて見てみようと思います。
その３つとは、新聞・預金・買物です。
東京の知識階級の間では、かつてはこんな三点セットでした。
新聞は朝日 預金は第一 買物は三越
現在第一銀行は、第一勧銀を経てみずほ銀行となっています。残る二つも、三越は1982年頃の不祥事で、朝日新聞も1991年頃の記事捏造でその信頼は大きく揺らぎました。この三点セットも今は昔でしょう。
これが名古屋辺りではこうなります。
新聞は中日 預金は東海 買物は松坂屋
ここでも東海銀行は、ＵＦＪ銀行を経て現在は三菱東京ＵＦＪ銀行となっています。
私がかつて住んでいた北海道ではこうなります。
新聞は道新 預金は拓銀 買物は丸井
道新とは北海道新聞、丸井とは丸井今井のことです。残る拓銀（北海道拓殖銀行）は今はなく、やはり北海道基盤の北洋銀行がその店舗を受け継いでいます。
名古屋人や道産子の地元贔屓は相当なもので、それぞれ中日・道新がその地域の新聞の代名詞とされているほどです。
妻の実家のある岡山も地元贔屓が強く、
新聞は山陽 預金は中銀（中国銀行） 買物は天満屋
と言われています。
現在地である高知も四国の中では一番地元贔屓が強く出ています。
新聞は高新 預金は四銀 買物は土電
高新（高知新聞）と四銀（四国銀行）は私も贔屓にしていますが、土電会館は今はありません。
元々ここは、土佐電鉄のターミナル・はりまや橋電停に併設する形で建てられたデパートでしたが、その後経営難から西武百貨店が資本参加、とでん西武を名乗るようになります。やがて西武が完全に経営権を掌握、高知西武と名前が変わりました。
しかし、これも売上減少からリストラの対象となり、2002年末をもって閉店しました。
貴方の地域にこんな三点セットはありますか？
コメント欄から
○実家が千葉県なんですが、 新聞は千葉日報 預金は千葉銀 買物は…
アレ？ 買物はどこだろう？ 千葉三越（三越の千葉支店）かな？ （バリ猫）
●新聞・預金までは出てきても、買物（老舗デパート）となると詰まる、そんな場合は市内の中心商店街を思い浮かべてもいいでしょう。
今だったら、巨大ショッピングモールのほうが思い浮かべやすいかな？ （うみがめ）
○バリ猫さん実家は千葉県だったんですね。東京時代はずいぶん行かせていただいたうえ、千葉テレビはよく見、千葉日報もよく買ってました。
ところでうみがめさん。十勝地方では勝毎（十勝毎日新聞）もけっこう強いのではと思います。北海道には他にも小さい新聞社がたくさんありますが。
東海３県（愛知・岐阜・三重）って、愛知以外でも中日新聞が強いんですよね。地元紙がブロック紙より弱いのは全国でも岐阜県と三重県だけでしょうね。安易に「岐阜県だから岐阜新聞」って言えないんです（その意味で十勝と岐阜県はとても似てるのでは）。岐阜県内でも岐阜市と大垣のバトルは明治以来ですし。
大垣の隣からすると
新聞は中日（実家は岐阜ですが） 預金は共立（大垣共立銀行） 買い物はヤナゲンかタマコシ
ですかね。鳥取市は・・・ 買い物はわかんないですし、銀行は山陰ガリバーの山陰合同銀行と唯一地元の鳥取銀行と甲乙つけがたいですね。 （かじか）
●釧路にも釧路新聞というローカル紙があり、同級生の家でこれをとっていた所も多かったです。
地元紙が弱いのは首都圏や近畿辺りでも同じではないかと思います。（神戸新聞・京都新聞は別として）（うみがめ）
○地方紙が大都市圏で「全国紙に」弱いのはよくみられることです。しかしブロックしと地元紙っていやあ、いわばローカル同士ですよ。よその人が単純に考えれば地元紙が強そうに思えますが・・・。現に岡山も中国より山陽が強いですもんね。（かじか）
●御指摘の通りです。
ただ、首都圏でも東京新聞（ブロック紙）と千葉日報（ローカル紙）を比べると、前者のシェアが大きいように思います。
ちなみに、私は中国新聞を、岡山市や倉敷の駅売店やコンビニで見かけたことはありません。あと、山陽新聞は香川県にも読者がいます。（うみがめ）
デパート雑感 （2007.02.19）
かつて百貨店（デパート）とは、庶民にとってはそれ自体が非日常の空間でした。
日常的な買い物なら近所の店で済ませられますが、たまにデパートに足を運ぶ時は大概値の張る買い物をする時、それこそ新入学用品を買い揃える為、といった何か特別な時に出かけるものでした。
最上階にはレストラン、屋上には遊具が揃えてあって、子供連れでも楽しめる空間、それがデパートでした。
贈答品を頂く時も、例えば薔薇の花が描かれた包装紙で届けられると、同じ調味料や石鹸でも何となく高級に見えたものでした。
それが高度成長後の安定成長時代になると、人々の消費動向も変わってきます。
「より良い品をより安く」が求められ、大型スーパーが台頭、更に薄利多売の大型ディスカウントストアも登場し、デパートも単なる高級志向だけでは生き残れなくなっています。
それを象徴するのが「デパ地下」と呼ばれる食品売り場でしょうか。店によっては食品スーパー並の品揃えになってきています。
以前、「ご贔屓三点セット」と題する記事の中で、デパートは新聞社や銀行と並んでその地域の優良企業の一つに数えられてきたことに触れましたが、そのデパートも近年業界再編の動きが急激となっています。
高島屋も三越も、地域ごとに分けられていた子会社を吸収合併してより一層の経営効率化を目指していますし、阪急と阪神も、親会社（電鉄会社）の経営統合を受けてデパート部門でも連携を強めているようです。
何より、そごうと西武の経営統合は、この業界の勢力地図を大きく塗り替えたように思います。
元々両社とも、バブル期に無理な拡大戦略を取った事で赤字かかさみ、先に経営破綻したそごうの支援企業として西武が名乗りを挙げたのが、両社連携の始まりでした。そごうの基盤は関西にあり、関東基盤の西武とは相互補完の関係が築けそうとの判断もあったのでしょう。
西武のマスコット「おかいものクマ」がそごうのＣＭにも登場したことがその象徴です。そんなＣＭの明るさとは裏腹に、両社とも不採算店舗の閉店という大鉈を振るい、そごうでは東京（有楽町・錦糸町）・奈良・小倉・加古川・札幌などが、西武でも函館・高知・川崎・仙台・宇都宮などが閉店となりました。
直営ではありませんが、高松のコトデンそごうも閉店、松山のいよてつそごうは現在いよてつ高島屋となっています。
閉店した店の後には同業他社が出店しているケースも多いのですが、高知西武の跡地には今も買い手がつきません。
そごうと西武の「暖簾を守るより顧客を守る」ための統合は、大丸と松坂屋の統合にも影響しているように思います。大阪基盤の大丸と名古屋基盤の松坂屋とは競合店舗もなく、相互補完の関係が構築できる、ということでしょう。
ただ両社とも江戸時代から続く呉服屋がそのルーツ、そう簡単に話が片付くとも思えませんが、まずは事態を見守りたいと思います。
コメント欄から
○松坂屋は銀座、上野に。 大丸は東京駅に。
事あるごとに、利用はしていますけど、合併とかになると、どうなることやらと思いますね！
老舗の百貨店ですからね！（Colour）●東京に限定しても、両社は商圏がかぶらない形とはなっていますね。
ただ、御指摘の通り両社が本当に経営統合してうまくいくかは未知数でしょう。 （うみがめ）
○デパートはお歳暮とお中元の時しか利用しなくなったです（しかもネット通販！）。
育ちが貧乏なのか、敷居が高すぎて、気合いを入れないとなかなか中に入れません(^_^; （ポン太）
●確かに、かつての外商部門が今時はネットショッピングに取って代わられている感じはありますね。
私も、デパートのネット通販をたまに利用しています。（うみがめ）
○前はよく行ったのに、最近はとんと、いかなくなったですナナ〜♪
駅ビルの方でお食事もちょっとしたお買い物もすませてしまいます。
ナナは横浜ルミネ専門だナナ〜♪（ナナ）
●駅ビルですか…
子供の頃の私は、あれも一種のデパートと思ってました。
実際には専門店街のようなものですが、それでも子供にとっては非日常の空間でした。（うみがめ）
○子供の頃、デパートに行くと「遊べる！」と思って 嬉しかったのを思い出しました。
遊園地みたいに遊べていたのが いまじゃ、あまり見かけませんね・・・
広島では郊外に大型店が多く、そちらが便利なので 市内にあるデパートにはほとんど行ってないですね。（さだ）
●広島と言えば、地元資本の福屋とお隣り岡山資本の天満屋が有名ですね。
こうした地元資本のデパートも大手資本の進出に対し防戦一方にならざるを得ないのが現状、といったところでしょうか。（うみがめ）
○こちらでは、三越系の松菱が唯一の百貨店で生き残っています。一時、地下食料品が大衆価格でやっていたのですが、高級食材の店になってしまいました。
いまだに、松菱の包装紙はこちらでは高級ブランドですが、イオンの勢力の前には、風前の灯に移りますね。
津のオカダヤが、四日市に本店を移して、ジャスコになり、イオンになっていく様を、目の当たりに見ていると、個性のなさに、さびしい思いがします。（poket）
●現在流通業界のリーディングカンパニーと言っていいイオンは元々三重県で創業したわけですね。 考えてみればこのイオンも、静岡基盤のヤオハンや大阪基盤のマイカル（旧ニチイ）といった経営破綻したスーパーを支配下に収めてどんどん大きくなっていますね。 勝ち組ばかりが更に強くなる昨今の風潮を象徴しているような感じです。 （うみがめ）
続・デパート雑感(2007.09.02)
(上記記事に関連して）
しかしこの程度で驚くのはまだまだ甘かったようです。
2007年８月に発表された三越と伊勢丹の経営統合は、私には更なる衝撃でした。
高級ブランド志向が強く中高年向けイメージのある三越と、ファッションに強く若年層向けイメージのある伊勢丹とはやはり相互補完の関係と言えますが、その企業風土は正反対と言ってよく、それまでの統合話とは根本的に違うように思えてなりません。
それに、実は両社は意外に競合店舗が多いのです。
伊勢丹のお膝元・新宿には専門店形式になったとは言え今も三越が出店しています。
更に伊勢丹にはＡＤＯ（全日本デパートメントストアーズ開発機構）と呼ばれる実質的なグループ企業が全国に点在しており、その中には丸井今井（札幌）・藤崎（仙台）・名鉄（名古屋）・天満屋（広島・高松‐本店は岡山）・井筒屋・岩田屋（共に福岡）・山形屋（鹿児島）と、三越の支店のある都市に出店している所も少なくないのです。
いずれにせよ、一消費者としては事態の推移を見守るしかないのですが…
余談になりますが、三越の包装紙「華ひらく」の"mitsukoshi"のレタリングは、当時同社宣伝部に所属していたやなせたかし氏の手によるものだそうです。
越境入学の功罪(2007.03.3)
野球、バレー、あるいはサッカー・ラグビーなどの高校生スポーツを、 自分の郷土の高校はどこまで勝ち上がるか、ワクワクしながら観戦している方は多いことでしょう。
ところで、スポーツの強豪と言われる高校の中には、単純に郷土を代表する学校と呼べないような所もあります。
そうした高校は、中学の段階から所謂スポーツエリートと呼ばれる選手に目をつけ、そうした生徒を全国から、下手をすれば世界中から集めて、その地域で最強のチームを作ることを狙っています。
その代表が、高知の明徳義塾でしょう。
私がこの学校の存在を知ったのは、香川に住む私と同い年の従姉妹が明徳中学に進学したと聞いた時でしたが、当時の明徳は出来て間もない頃で、まだスポーツ競技でも実績を上げる前でした。
彼女の５つ違いの弟も明徳中に進学した頃、高校野球では高知商業・高知（学園）と並ぶ「高知の３強」と呼ばれるまでに成長しました。
その後、他のスポーツでも留学生を積極的に受け入れるようになります。相撲の朝青龍、サッカーのアレックス（三都主）も明徳ＯＢの一人です。
ただ、生徒の７割が県外人ということもあってか、地元での評価は必ずしも高くありません。「県外人ばかりのチームに高知県代表を名乗って欲しくない」と言うわけです。
だからでしょうか、2007年の選抜には高知から前述の高知高校、そして室戸高校が出場していますが、後者は公立、前者も私立ながら地元出身者が多いということで、明徳が出る時より地元の応援のボルテージは高いようです。
こうしたスポーツエリートの越境入学に積極的な高校は、結果的にその地域の高校スポーツのレベルアップに貢献している反面、県外生はなかなかその地域に根付かない事から、地元のチームとして心底応援できないという弊害も生んでいるように思います。
そんなことを言ってしまえば、一部の進学校も、全国から成績優秀な生徒をかき集め、結果的にその地域の学力の底上げには貢献しているものの、県外生が地域に根付かず地元にとっては有難迷惑、となっているようです。
実は私の出身校もその一つです。
函館ラサール、と言っても実際に函館学区から進学する人は生徒全体の３割程度で、あとは北海道内各地や本州（主に東北・関東・関西）から集まっているのです。
函館の進学校としては、他に公立の函館中部高校がありますが、地元の人から見れば、中部高こそ函館を代表する進学校、ということになるのでしょう。
私学の精神 (2007.05.08)
突然ですが、学校とは何の目的で建てられているのでしょう？
手っ取り早く言えば「国民各層に対する教育の機会均等」が目的です。
でも、それだったら国や地方自治体が設立母体の学校さえあれば事は足りますよね？
実際には、国立や公立だけでなく、私立の学校も沢山あります。
それらが何故国公立の学校と共存共栄できているか？
それは、私立学校にはそれぞれに建学の精神というのがあって、その精神に賛同する人たちが集まっているからに他なりません。
例えば、慶応義塾は福沢諭吉、早稲田は大隈重信、同志社は新島襄、津田塾は津田梅子、とそれぞれ建学者の思想がそのまま建学の精神となっています。
宗教教義が建学の精神となっているところも多く、例えば上智はカトリック系、青山学院や関西（くゎんせい）学院など「○○学院」と付くところはプロテスタント系、駒沢や大谷などは仏教系、他にも天理、ＰＬ、創価など新興宗教系の学校もあります。これらはあくまでも宗教教義が建学精神であるというだけで、授業の一環として聖書を読んだり数珠を持ったりすることはあっても、教職員や生徒の信教の自由まで侵すものではありません。
私自身、高校はカトリック系のミッションスクールでしたが、聖書の教えは確かに納得出来るものの、これを機会に自分もクリスチャンになろう、とまでは思いませんでした。
幼稚園から大学まで全て国公立を出ている人は、どこか没個性で型にはまった印象を受けるように思います。
一方、上記の課程のどこかで私学のお世話になっている人は、その分自由な思想の影響を受け、型にはまるのを良しとしないところがあるように思います。
コメント欄から
○私学の教員公募を見ると、○○教に基づく教育に理解のある人というのが採用の条件に書かれてあります。が、信者という条件はさすがに見たことがありませんね＾＾（ポン太）
●それがつまり、宗教の教義を理解する事と信仰は別物、ということなのでしょう。 （うみがめ）
○私も大学は私学。でも、妹は小〜高校までは公立。大学は国立でやはり考え方というか、ちがいますね。 （ナナ）
●国公立の学校は、基本的には国にとって都合のいい人間を育てる、といった性格のものですから、ずっとそこしか行ってない人は真面目な反面、強烈な個性に欠けるような気がします。（うみがめ）
○ 私学＠建学精神、標語
意識したことは、ありません。
しかし、影響?? されているかナ。
目標への、登り坂が好きな傾向です。
燃え尽きた症候群??!!
達成すると、モチベーションが低下してしまいます。
現役在学時
高校
学期試験に赤点を取らないで、進級しか考えていませんでしたネ。
大学
履修単位の取得に奔走??
1〜4年まで、多々実験あり。
欠席、直ぐ留年決定。
リポート提出は、苦労、悪夢の連続。
近々に卒業した専門学校
「現役＠国試合格を意識」。（NGOmatsuda)
●専修・専門系の学校も、その設立母体によって受ける雰囲気が異なります。
岡山に川崎学園という学校法人がありますが、ここは医大を中心に医療福祉系の大学・短大、更には高校を抱えており、国立の医学部に比べ、学生達のモチベーションも高いものがあるようです。（うみがめ）
○そうすると、誰が見てもかわり者な私っていったい・・・。高校まで公立、大学は国立で、かろうじて予備校だけ私立です。おまけに限りなく国営に近い放送大学も出てます。
で、学校（高校まで）についていえば、公立が学校を開設するのは一般に就学機会の保障のためなので、ある意味没個性なのが当たり前ですね。それを勘違いして「学校は公立がやるもの」と思い込んでる人はたくさんいるんですよね・・・。それは逆で、私学で充分ならば、公立は身を引くべき存在なのです。（かじか）
●ここで述べたのはあくまでも一般論、世の中に例外はつきものです。
むしろ国公立出身という枠の中からその矛盾点を鋭く突こうという姿勢は立派だと思います。
今の私学はどうしても都市圏に集中、授業料もお高い、そう考えれば地方の低所得者相手の公立学校の存在意義はあると思います。 （うみがめ）
○まわりの環境で だいぶ変わるのですね。
自分は私学 影響受けてるのかな？ （NON)
●一口に私学と言っても、設立に至る経緯や運営母体にも依ると思います。
私自身ミッション校に通っていた影響か、博愛精神という物に接し、自分もできる範囲で人の役に立ちたい、と思うようになりました。（うみがめ）