うみがめ見聞録��
名湯・秘湯(2007.10.09)
「職場の慰安旅行」（「うみがめ波瀾万丈・成年編」参照）の関連記事
皆さんは、温泉と言うと何を連想しますか？
伝統と格式の老舗旅館が立ち並び、近くには土産物屋や飲食店などで構成される温泉街があるところでしょうか？
それとも、人里離れた山奥にある一軒宿でしょうか？
前者のような所は、特に職場の慰安旅行に代表される団体客には喜ばれますが、純粋に温泉を楽しみたい個人客には後者のほうが喜ばれます。温泉街の中には風俗店のような店もあり、それが街全体の風紀を乱す事にもなりかねません。
その意味で言えば、私が医局旅行で訪れた３つの温泉宿は、それぞれ違う個性を持っている様に思います。
一の又渓谷もそのひとつで、山荘風の建物は総檜造り、岩風呂からは川のせせらぎと共に緑に包まれた展望が楽しめます。 日常の喧騒を離れた癒しを求めるという意味では団体よりも個人客向けかもしれません。
岡山の湯郷温泉は、1200年の歴史があるという古い温泉で、延暦寺の円仁法師が西国巡礼の途中、白鷺が足の傷を癒しているのを見て、いで湯の発見を見たと伝えられています。
奥津・湯原とともに美作三湯と呼ばれますが、あとの二つが国民保養温泉地に選ばれる中、湯郷だけは何故か洩れています。それは、中国自動車道の開通により京阪神からの旅行客が増え、拡大戦略をとったことから遊興色が濃くなり、湯治場としての性格が失われたということも一因でしょう。
確かに、その性格からは団体向けかもしれませんが…
これに対し、大分の由布院温泉は団体客向けの大型ホテルや歓楽街が整備されていなかったことがプラスに転じた例です。
昭和40年代から町ぐるみで毎年夏に映画祭や音楽祭を開催し、歓楽色を排して女性が訪れたくなるような環境整備を続けてきました。バブル期の大型開発計画には適正な規模や景観を守るため抵抗。人気の過熱が続く現在も、温泉のあり方についての模索が続けられています。
温泉湧出量は全国３位の毎分38,600リットル、その豊富な湯量から宿が一箇所に集中する必要がなく、町の中心から外れた所に宿が点在すると言う独特の発展を遂げた温泉街です。
なるほど、ここなら何より雰囲気を重んじる人にも喜ばれそうですね。
勿論、前述の国民保養温泉地の指定も受けています。
貴方は、温泉に癒しを求めますか、それとも娯楽を求めますか？
コメント欄から
○温泉、いいですね〜。
でも、喘息もちの私は「硫黄」がダメで・・・
しかも、すぐのぼせます。
私は温泉より、旅館の食事の方に興味あり・・・です（KEMEKO）
●硫黄泉は、病中病後で体力が落ちている人や乾燥肌の人にも注意が必要です。 （うみがめ）
○私は癒しですね〜。
やっぱりゆっくり温泉に浸かって忙しい日常から離れられますからね。
娯楽といっても、最近の温泉街ってさびれてますよね〜。（さゆり）
●温泉街が寂れる背景には、やはり頼みの団体客が減少傾向にあることが挙げられるように思います。
慰安旅行に温泉が好まれるのも、忙しい日常から離れたいという気持ちからでしょう。 （うみがめ）
アキバ今昔（2007.10.14）
「のぶちゃんねる」の「変わっていた秋葉原・・・」の関連記事（以下原文のまま引用）
久しぶりに来た秋葉原。本当は寄るつもりもなかったが気がついたら上野から中央通りを歩いて南下していた。
秋葉原（あきはばら）と聞いて私が連想するのは、勿論上記記事のような電気街もそうですが、もう一つ交通博物館のあった町ということです。秋葉原と上野は昔から何度と無く歩いて往復している。久しぶりに歩くと昔あったローソンが無くなってしまっていたり秋葉原に近づくにつれお店の変貌振りを目の当たりにすることになった。「Ｔ・ＺＯＮＥ」も姿を消して「ドンキホーテ」になっているし昔ＣＤラジカセを買ったグッドマン」も無くなっていた。
秋葉原の駅近くにあった「ＣＡＳＩＯのアウトレット」もまたガードを越えた場所にあった「マルゼン無線」も無くなっていた。
いわゆる「家庭電器製品」を扱うようなお店も細々と営業を続けているみたいでまったく活気も無かった。「アキハバラデパート」も閉鎖されたままで街の活気はほとんど感じられなくなっていた。
「電気街」と言われた秋葉原もすっかり様相が変わってしまって「オタク文化」の発信地でしかなくなってしまったようだ。もう私みたいな「おじさん」が行くような街じゃないみたいだな・・・。
交通博物館とは、旧国鉄の外郭団体である交通文化振興財団が運営していた博物館で、鉄道の他自動車・船舶・航空の各分野に渡り貴重な資料を多数展示していました。
その中には、日本の鉄道の草分けで、当時陸蒸気（おかじょうき・蒸気船に対しそう呼ばれた）と言われた１号機関車や、弁慶号（7100型）・義光号（1290型）と呼ばれた蒸気機関車などが含まれており、鉄道ファンならずとも楽しめる施設でした。
しかし、施設が手狭になったことなどから、2006年の５月限りで閉館、鉄道の日にあたる2007年10月14日、さいたま市大宮区に鉄道博物館としてリニューアルオープンしました。
現在その跡地は更地になり、もし今私がそこを通りがかったとしたら、上記記事の筆者と同じような感慨を受けるに違いありません。
「ああ、かつては鉄道オタクの聖地だったアキバも、今や少女キャラに萌えるオタクの聖地になってしまったな」と。
先程「アキバ」と表現しましたが、この通称は以前この辺りが「秋葉が原（あきばがはら）」と呼ばれていたことの名残です。
コメント欄から
○昔の怪しい感じが無くなってしまって、少し残念です。
今では、カップルや女性同士で来ていますから信じられない状態です。（ＲＹＵ）
●そうですか、そう言えば今の秋葉原を象徴するメイド喫茶も、最近は女性客を意識したものになりつつあるようですよ。（うみがめ）
○様変わりしてから、行く機会がめっきり減りました。（ＲＹＵ）
●駅前にある大型家電品量販店も、今時は家族で訪れる客も多いと聞きます。
これも昔なら一部のマニアが集まっていたのでしょうが… （うみがめ）
○秋葉原に持つイメージって人それぞれでしょうけど、私の場合はオーディオやラジオを見て回る街でした。
ラジオやヘッドフォンステレオ、ＣＤラジカセなど秋葉原の街でも買い物をして重たい荷物を抱えて新幹線で静岡まで帰ってきていたことを思い出します。
家電の街からパソコンの街になって、パソコンの箱を抱えながら山手線に乗る若者もよく見かけたのですが、それも今は過去の話のようです。
街にはストリートアイドルが現れ、ラジオ会館の上層階にはフィギュアやアニメ関係のグッズを扱う店が幅を利かせています。私もそういうお店は嫌いではないですが、かつてあった中古オーディオ専門店は無くなり自分の居場所が無くなってしまった感じがして寂しさも感じます。
裏通りの電子部品屋で接続プラグを自作するために部品を買ったり、ＡＣコードを安く手に入れたり怪しい海外製のラジオを見つけたり歩くだけでも楽しかった秋葉原。
ディスカウントストアや大型量販店に侵食されながら、また街並みも変わっていくんでしょうね。 （田中のぶあき）
●元々秋葉原は、第２次大戦後の闇市時代に創業した、一区画当たり二畳程度の電気部品店が軒を並べていた事から電気街と呼ばれるようになりました。今でも総武線のガード下にはその手の店が健在です。
ただ、家電品量販店ということで言えば、最近は新宿や池袋のほうが目立っており、また郊外の大型店もあることから、わざわざアキバに行ってまで、という時代ではないのかもしれません。
大阪の日本橋、名古屋の大須も近年似たような状況にあるようです。 （うみがめ）
○あ、そうそう！秋葉も変わりましたよね〜。
それに、オタク系も変わりましたね〜！
そうそう、電車オタクが今や萌え系オタクに変わってますよね。
たしかにいますよ〜。 （さゆり）
●いや、そもそも萌え系オタクを俗に「アキバ系」と呼んでいるのであって、鉄道オタクは「鉄ちゃん」と呼ばれています。
最近は女性の鉄道ファンも増えてきて「鉄子」などと呼ばれています。 （うみがめ）
○え？鉄ちゃん？？？ 始めて聞きますね〜。 （さゆり）
●そのような呼び名自体は10年位前からあったようで、時刻表の欄外に出ている一行投稿でもよく見かけます。 （うみがめ）
ハワイの韓流ブーム（2007.10.22）
今日びハワイを訪れる観光客は、日本人よりも韓国人のほうが多い、と言われます。
それを実感したのが、2004年に少し遅い夏休みを利用してハワイを訪ねた時でした。
９月29日から10月３日まで、３泊５日の日程でしたが、出発当日は日本国内を台風が直撃、高知から大阪への飛行機が飛ばずに陸路関西空港まで向かいました。
ホノルル行きの飛行機は定刻より遅れたものの無事離陸、ハワイでは日本の悪天候が嘘のような晴天でした。でもその日は、離日までの疲れもあって、妻も私もとても観光しようという気にはなれませんでした。
そこで、滞在先のロイヤルガーデンホテルで少し休んで後、パシフィックビーチホテルの中にあるマッサージルームを予約、これで旅の疲れを癒す事が出来ました。
その後、同じホテルにある免税店でアクセサリー類を購入したのですが、この時私たちの応対をしたのがどうやら韓国系の人でした。だからでしょうか、我々の足元を見透かしたようにあれこれと勧めてきたのです。
翌日、パシフィックホテルに隣接するワイキキリゾートホテルに出かけました。ここは韓国人が経営しているであろうホテルで、そのためか、昼食に入った館内の焼肉料理店は韓国仕込みの味でした。
また、館内の売店にも韓国直輸入の食品が並び、また館内の薬局も韓国人薬剤師が常駐している、といった具合でした。その薬局に置かれたテレビでは韓国人向けのチャンネルが映っていたし。
その日の夕食は、アロハタワーにあるレストランで頂いたのですが、写真はその近くで撮った夕焼けです。
３日目は昼間島内観光、夜はアラモアナショッピングセンターに出向いたのですが、ここでも韓国系と思われる客が大勢いたように思います。
島内観光では、あまり観光地としては手垢がついていないオアフ島の北岸（ノースショア）を中心に回ったのですが、さすがに韓国系とおぼしき人はここでは少数でした。
このあたりにタートルベイホテルがそびえ立つ事からも分かる通り、ノースショアは海亀が上陸する浜として有名です。私達は残念ながら野生の海亀には遭遇できませんでしたが。orz
新婚旅行の時は、結婚式とその準備に明け暮れ、ゆっくり観光する暇がなかっただけに、こうして再び訪れる機会を作ってよかったと思いました。
コメント欄から
○ハワイに行った事もないのですが、韓国の方がそれほど多いとは知りませんでした。パワーがありますね〜。（ナナ）
●私も実際に行くまで、ハワイに韓国人が多いなんて想像もしていませんでした。（うみがめ）
○あ〜、ありますよねー。
すっごい下手な日本語でアジア系の顔だと思ったら、やはり韓国人でした。
まぁ、そんな時は、他のマウイ島などの島へ避難すると 全て英語圏でいいですよー。
日本から行く場合、時差もあるので一日が長くなるんです。
だから、着いた日は、かなり疲れますよねー。（さゆり）
●マウイですか。実は新婚旅行のときに２日間ほど滞在した事があります。
こちらではしっかり観光も楽しめました。 （うみがめ）
○昔、行った時、ゴルフコースの間をサトウキビ列車が走っていましたよね。
今も、走ってますが、ずいぶんすさんでしまいましたね。
カワナパリでコンドミニアムを借りたり、ちょっとはずれた場所の ホテルに泊まりましたが、プライベートビーチもあってステキでした。
ドライブして、ハナまで行ったり、山から自転車で降りてくるのも ありましたね〜。
あと、火口を見に行きましたが、海辺と違い、すっごく寒かったです。（さゆり）
●マウイあたりでは、ホエールウォッチングも楽しめますね。
中西部の町・ラハイナを散策したのですが、このあたりはかつて捕鯨基地として栄えたのだそうです。 （うみがめ）
○あ〜知ってます！
ホエールウォッチングもラハイナも行きましたよ〜！
会社の旅行で、５日くらいいた時、釣り組もいましたよ〜。
そのあとの日焼けが大変だったんですけどね〜。（さゆり）
●ハワイ滞在のときは、特に日本にいるときよりも入念にお手入れしないと、すぐに日焼けしてしまうのが難点ではありますね。（うみがめ）
○いいですね〜・ハワイ。
ハワイも韓国も行ったことありません^^;
きっと現地の人は見ただけでは 日本人か韓国人かなんて わからないでしょうね。（さっこ）
●私自身、口を開くまでその人が日本人か韓国人か、はたまた中国人か区別がつきません。欧米辺りでは、そうしたアジア系民族にはとりあえず"Chinese"と言うのだそうです。（うみがめ）
○1997年頃にニュージーランドに行ったときは韓国人が多かったです。
2005年に行ったベルギーでは日本人よりも中国人が多かったですね。現地の人からずいぶんとニイハオと声をかけられました。
韓国も中国も経済成長で海外旅行ができるほどお金持ちが多くなったということでしょう。（ポン太）
●そうか、そんな事情で中国や韓国の人が海外に進出しているわけですね。 （うみがめ）
○私も1987年頃に新婚旅行で
２回目は子供たち連れてバタバタと行ったけど
もう１度、ゆったりした気分で行きたいなぁ〜（かな）
●私も決してゆったりした気分で出かけていた訳ではなく、どうしても慌ただしく動いていた記憶があります。
一生のうちにもう一回位は訪れたいと思います。（うみがめ）
○私はハワイに行ったことありません
福島の『スパ リゾ−ト ハワイアンズ』で気分は味わいましたが(笑)
常夏の海には憧れますが なかなか機会が・・・
１度でいいから行ってみたいな〜（けんちゃん）
●かつての「常磐ハワイアンセンター」ですね。その立ち上げに尽力した人達を取り上げたのが映画「フラガール」でした。
映画は観たのですが、スパリゾートそのものには行ったことがありません。 （うみがめ）
変わらない街・変わりゆく街（2007.10.28）
倉敷と言えば、妻の実家のある町で、妻と付き合いだして以降何度となく訪れていますが、実はそれ以前にも２度ほど訪れた事があります。
一度目は1972（Ｓ47)年、私が小２の夏休みの時でした。
父方の祖父の案内で、丸亀から船に乗り下津井港へ、ここから今は亡き下津井電鉄の小さな電車に乗って鷲羽山へと向かいました。まだ瀬戸大橋など影も形もない頃です。
ここから下電の終点・児島へ（児島‐茶屋町間は、その年の３月限りで廃止）、更にバスで倉敷市内へと向かいました。
倉敷と言えば大原美術館を思い出される方は多いことでしょう。この時の私もそこを訪れましたが、展示されている絵画や彫刻の芸術性を理解するにははっきり言って子供過ぎました。
それに、実はとんでもない勘違いをしていたのです。[:汗:]
ここは倉敷在住の実業家である大原家によって立てられたのですが、私はこれを、漫画の「オバＱ」が居候している大原家と勘違いし、何かオバＱに関する展示があるものと勝手に想像していたのです。
今でこそ、手塚治虫記念館（兵庫県宝塚市）ややなせたかし記念館（高知県香美市）など、漫画の持つ芸術性に着目した施設は各地に出来ており、実は倉敷にも今は「キャンディ・キャンディ」でお馴染みの「いがらしゆみこ美術館」が出来ているのですが、当時は漫画にアートを感じる人など皆無、私の妄想も「何馬鹿な事言ってるんだ」と一笑に付されてしまいました。
二度目は1997（Ｈ９）年 、医局旅行の時でした。
宿泊のほか各種イベントにも使われるアイビースクエアは、クラボウの工場をそのまま生かした施設ですが、このとき訪れたチボリ公園は、倉敷駅の北側にあったクラボウの跡地に建設された公園です。
デンマーク・コペンハーゲンにあるチボリ公園とは提携関係にあり、園内にはデンマークの生んだ作家・アンデルセンの銅像も鎮座しています。
そんな異国情緒を味わう非日常の空間で、実は岡山県人が日常的に食している「ママカリ寿司」も売られているという事実、これは意外でした。
郊外にイオンが出来た影響で、駅前にあった三越やダイエーが撤退したのがその象徴です。
また下津井界隈も、昔ながらの街並が残る所ですが、その象徴だった下電は、モータリゼーションの流れの中で沿線の道路整備が進み、廃止の憂き目に遭いました。
変わらない部分と変わりゆく部分、その狭間で揺れ動くのが今の倉敷ではないかと思います。
コメント欄から
○うみがめさんでも、小さな頃には勘違いされていたのですね。（笑）
大原美術館へは行ったことがないのですが、たしかエル．グレコの絵がありましたよね〜。一度訪れたいものです。 （ナナ）
● そうそう、美術館の近くにはその名も「エルグレコ」という喫茶店もあります。 （うみがめ）
○私、高校の修学旅行で大原美術館を訪れました。倉敷から秋吉台まで見てまわるという、中国地方民からみるととてつもなく広い回り方でした。後に鳥取大学に進んでからは、水島鉄道、廃止直前だった同和鉱業片上鉄道とからめて下津井電鉄を訪れたこともあります（廃止には驚きました）。ちなみに山陰ではごくたまに下電グループのＣＭも流れてました。
児島や下津井も倉敷市なんですよね。ＦＭくらしきの中継所も児島にあったくらいで。瀬戸大橋のため児島から茶屋町までの鉄道がいわば「復活」したわけで、確かに新旧様々ですね。（かじか）
●確かに、形の上では復活したことになりますが、ＪＲ児島駅と下電児島駅はかなり離れており、このことが下電廃止の遠因だったりします。
倉敷市も、元々の倉敷地区・児島・水島・玉島と、多用な地域性が特徴です。 （うみがめ）
ラストクリスマス・イン・チボリ（2008.12.24）
（上記記事に関連して）
2008年12月20日、久々に倉敷のチボリ公園を訪ねました。
今回は夜に訪れたのですが、この時期は園内のあちこちが写真のようなイルミネーションで飾られています。写真左のクリスマスツリーは、最上部がハート型となっているのが印象的です。
写真中はチボリ湖と呼ばれる池のほとりに建つ「アンデルセンホール」と呼ばれる多目的ホール（一般に貸し出しもされる）ですが、ライトアップされた姿はなかなか壮観です。
写真右はアンデルセン像を中心に園内を撮影したものです。
でもこうした夜景もこれで見納めとなりました。
今年（2008）の大晦日を最後に、倉敷チボリが閉園したのです。
倉敷チボリの来園者数は、開園初年度（1997年７月から98年３月）こそ300万人近くを数え、あの東京ディズニーランドに次ぐ人気だったのですが、その後は右肩下がりが続き、2005年度には遂に100万人をも下回る惨状だったのです。
その影響か、企業の後援を受けたレストランの一部も営業を取りやめたほどです。
そうした現状を打破しようと、2007年には入場料の改定などのテコ入れが図られましたが、既に焼け石に水、その年には運営母体の第三セクター会社がデンマークのチボリ本社との運営契約の更新断念を表明したのです。
その結果、2009年１月１日をもって「チボリ」の名が使えなくなりました。
岡山県では何とか公園を残そうと検討を重ね、運営会社としても規模縮小や完全民営化などの再生プランを提案しましたが、結局県や市の支援は期待できないと判断、今年限りの閉園という苦渋の決断を下したのでした。
そういえば、公園入口の前では「チボリ公園の存続を求める会」という市民団体が署名活動をしていました。
彼等に言わせれば、「これ以上チボリの営業を続けることによって、市民に重い負担がのしかかると県や市は主張している。しかし、チボリを閉園し、いったん更地にした上でまた新しい施設を作るほうがよっぽど負担が大きいではないか。市の活性化のためにも、やはりチボリは存続させるべきだ」
なるほど、彼等の主張も一理あります。
とはいえ、最早閉園が決まった以上、彼等の行動も虚しく見えてしまうのは私だけでしょうか？
ともあれ、惜別の思いは尽きませんが、最後に「いつかまた」の思いを込めて、チボリの創設者であるゲオ・カーステンセンの言葉を引用します。
チボリは決して完成しない。
チボリは未来にある。
コメント欄から
○倉敷の町並みは凄く好きです。
情緒がありますよね〜
一度行ってみたかったですね。
チボリのうちに。。（実夢）
●古い町並みが残る所謂美観地区は倉敷駅から見て南側にあります。チボリ公園は駅の北側に展開していただけに、その一帯が寂れていくのが懸念されるところです。（うみがめ）
○一度訪れてみたいところです。
今はこんなにイルミネーションがきれいなんですね。
でも、存続するのに負担があるのではね・・・。
どこも不景気で、ため息の出る話ですね。（さゆり）
●ＴＤＲが不景気の中でも人々の心をつかんでいるのは、常に新しいアトラクションやパレードを導入し、その結果として「また行きたい」という気にさせているからです。
その点チボリは、リピーター獲得には余り積極的ではなかったようです。（うみがめ）