ザ・ベスト・オヴ・シャーデー ■ シャーデー
音盤話��
ドライでウェットな女性ボーカル（2009.02.09）
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今回出かけ間際に、テーブルに有ったCD「SADE/The Best OF SADE」を無意識に手に取りカバンに入れた〜勿論、移動中の車の中で聴く為で・・以前は車内で聴く音楽の殆どはバロックかイージーリスニングの様な「癒し系の曲」ばかりを流しながら移動していました。
実は私も、そのシャーデーのＣＤを持っています。でも、ここ２〜３年はボーカル曲を好んで聴くようになり・・例えば〜エンヤ/カーペンターズ/小野リサ/等〜ボーカル曲と言っても、やはり癒し系の曲になってしまいますが・・まぁ〜偶にはレイ・チャールズやエリック・プラクトンの曲も聴きますよ〜(^。^)
今回の「シャーディ」〜あのVoの「ヘレン・フォラシャーディ・アドゥ」の気だるい歌声が、冬の冷たい空気と真っ白な雪景色と妙にマッチしていて、心癒されます〜(^。^) 因みに「ＳＡＤＥ」とは、４人からなるグループ名なんですよ〜(^。^)
彼等は寡作ということでも知られていて、1994年に発売されたこのベストアルバムも、84年のデビューからその時点までに出した４枚のアルバムからセレクトされた曲が収められています。
なるほど、10年でアルバム４枚とは確かに寡作ですが、裏を返せばそれだけ完成度の高い作品を追求していたということも言えるように思います。調べたところ、その後も2000年にオリジナルアルバム、2002年にライブアルバムを出したきり、とのことです。
ボーカルのシャーデー・アデュは、ナイジェリア生まれで後に英国に移住した人ですが、その歌声はどこかドライで、それでいてそこはかとない色気も感じさせるように思います。
以前とあるテレビの深夜番組で、ＡＶ女優のヌードを女性写真家が撮るという企画がありましたが、そのＢＧＭに使われていたのがこのＣＤにも収められている「キス・オブ・ライフ」だったのです。
ソフトフォーカスの映像とこの曲とが妙にマッチしていたのをよく覚えています。
西風さんによれば「冬の冷たい空気と真っ白な雪景色に合う」とのことですが、もしかしたら徐々に暖かくなる季節にも合うかもしれません。
どこか懐かしい響きの楽器 （2009.02.28）
ハーモニカという楽器は、どこか郷愁を漂わせるような音色に特色があるように思います。
私が子供の頃は、小学校でまず習う楽器としてこのハーモニカが使われていました。今時は鍵盤付きのハーモニカ（ピアニカ）が使われているようですが、私が小１の時は、それに比べれば実にシンプルな単音ハーモニカを使っていました。確か２年に上がった時に半音つきのものにグレードアップしたのですが、３年になった時点で縦笛（リコーダー）を使うようになり、以来ハーモニカからは遠ざかったような気がします。
あれ、単純なように見えて実は結構奥が深い楽器ですよね。というのも、普通管楽器というものは息を吹き込んで音を出すのですが、ハーモニカの場合は吹き込んで出す音と吸い込んで出す音が交互に並んでいて、更に口を広げることで複数の音も出せるからです。そうした奥深さに魅せられてか、路上ミュージシャンの中にも愛用者が多いように思います。
そんなハーモニカ演奏の第一人者として、今回紹介するリー・オスカーが上げられます。
彼はユダヤ系デンマーク人としてコペンハーゲンに生まれ、独学でハーモニカを学びました。その後アメリカに渡り「朝日の当たる家」で知られるエリック・バートンと出会い、彼が結成したバンド・ウォーに参加します。
ウォーとはアフロ・ミュージック界で一時代を築いたバンドですが、オスカーはその中でも唯一の白人メンバーとしてその活動を支えてきました。
とはいえ、彼が生まれ育ったユダヤ人社会の音楽は、日本の文部省唱歌に似てどこか郷愁を漂わせるメロディーが基本となっています。
だからでしょうか、彼が発表したソロアルバムは、私達日本人の耳にはどこか郷愁を呼び起こすものとなっているようです。
ご紹介の「ハーモニックス」と題するベストアルバム（詳細は画像クリック）に収録された曲も、「実際始めて聴く曲だが、どこかで聴いたような錯覚を覚える」という曲ばかりです。
一曲目の「約束の地」は、今から30数年前に化粧品のテレビＣＭに使われた曲で、「女の顔は一つじゃないよ」のキャッチコピーとともによく覚えています。
続く「ビフォー・ザ・レイン」は、あるラジオ番組の「夕刊拾い読み」というコーナーでＢＧＭとして使われていたのを聴いたことがあるのですが、まさに夕暮れ時のイメージにぴったりと思いました。
「我が心のジョージア」「ヒア・ゼア・アンド・エブリホエア」「星に願いを」などのよく知られた曲も、ハーモニカの音色で聴くとどこか心の琴線に触れるように感じるから不思議です。
ハーモニカという楽器の素晴らしさを再認識できる一枚です。
竹が奏でる癒しの音色（2009.03.03）
３月３日は耳の日ですが、それに因んで耳に心地いい音楽ＣＤのご紹介です。
「バンブー・シンフォニア」
（詳細は画像クリック）
タイトル通り、竹（bamboo）で出来た楽器が奏でる曲の数々が収められています。
演奏するのは、竹の音楽家として知られる柴田旺山氏率いるグループです。
柴田氏は、東京芸術大学大学院修了後、37歳の若さで日本尺八連盟より最高位・竹帥の称号を授与されたトップレベルの尺八・横笛演奏家です。
尺八といえば、俗に「首振り３年コロ８年」と言われるように、その独特な奏法を身に付けるには時間が掛かるものですが、それを比較的早くにマスターしたのには頭が下がるばかりです。
このＣＤでは、そんな柴田氏を中心に、竹マリンバ・クロンプット（ベトナムの民族楽器で並べられた竹筒に手で風を送り込んで音を出す）・ジェゴク（バリ島に伝わる竹筒で出来た打楽器）などによるアンサンブルで、「琉風（るふう）」「竹夢」など柴田氏オリジナルの作品や、「島唄」「童神（わらびがみ）」「さとうきび畑」など沖縄にゆかりの曲が演奏されます。
しかし一時、そうした人工的な音を排除した、竹製楽器の純粋な音色に耳を傾ければ、身も心も自然と落ち着いてきます。それこそ、広い竹林に抱かれた感じを受けるのです。
竹の響きに癒されてみてはいかがでしょう？
イケメン雅楽師のマルチな才能（2009.03.12）
確か2002年に雅楽師・東儀秀樹氏（1959生）のコンサートに行ったことがありました。
彼は奈良時代から続く楽家（がくけ）の家系に生まれたことから、高校卒業の後、宮内庁式部職楽部の楽生科で雅楽を学び、1986年に楽師となった人で、楽部では主に篳篥（ひちりき）を担当、他にも弦楽器や打楽器、更に謡や舞を受け持つこともあったそうです。
反面、父親が商社マンだったことから幼少期を海外で過ごす機会にも恵まれ、クラシック・ジャズ・ロックなどの西洋音楽にも接してきました。そのせいか、ピアノやシンセサイザーなどといった楽器もたしなみ、これら西洋音楽と日本古来の雅楽の持ち味とを融合させた独特の音楽の創作にも取り組んできたとのことです。
1996年にデビューアルバムを出すと、各メディアで広く取り上げられ大きな反響を呼びました。その年に宮内庁楽部を退職、以来映画やテレビなどの音楽を手がけたり、あるいは異なるジャンルの音楽家との共演や、海外公演なども精力的にこなしています。
ご紹介する"I am with you"（詳細は画像クリック）は、そんな東儀氏のオリジナルアルバム第９弾で、前述のコンサートはここに収められた曲を中心に選曲されていました。
殆んどがオリジナル曲で構成されていて、しかもそのうちの６曲が何がしかのタイアップとなっています。
タイトル曲からしてテレビ番組のテーマ曲に使われており、また「海の向こうのさがしもの」はゲームソフト絡み、「ふるさと」（これはよく知られた曲）もＣＭ絡み、といった具合です。
ここでは篳篥が、雅楽という枠を完全に超越した楽器として使われており、これぞ東儀ワールドの真骨頂と言える出来となっています。
女性の方なら、恐らくは雅なイメージのイケメンとして惚れ惚れするのではないかと思います。
事実彼は役者としても活躍しており、2008年放送された大河ドラマ「篤姫」では孝明天皇役で出演していたそうです。
そちらの方面での活躍も期待されますね。
映画の感動が蘇る（2009.04.03）
【送料無料選択可】サントラ/マンマ・ミーア! - ザ・ムーヴィー・...
はーしさんの「アラ還ミュージカル「マンマミーア！」(ネタバレ注意！）」の関連記事
後半は話も盛り上がり、感情移入できたり、楽しめました。
そんな映画の感動を呼び起こさせてくれるのが、ここでご紹介するオリジナル・サウンドトラックＣＤです。（詳細は画像クリック）特に娘を嫁に出す母の歌のシーンはあまりにも胸に迫って号泣
ーーーが！
前半の、あの、熟女たちの凄まじいノリは何だ〜〜！！！
いまでこそアラフォーとか言って４０歳前後の女性が「恋だお洒落だ」 と堂々と口にできるご時世と日本もなりましたが，この映画「マンマ ミーア」はさらに上を…
メリル・ストリープらアラ還（６０代前後）女優 たちが「もっと自由に！もっと恋したい！もっともっと◯△！！」と パワフルに、かつひじょーに、生々しく歌い踊り、誘う。
そこが絶大な支持を受けているんじゃないかと思いました。
まさに米国 ベビーブーマー世代の、新しい６０代を生きる女性達に。
私もこの映画を観て、その感動覚めやらぬうちに購入したのですが、実際聴いてみると、それこそ映画のシーンが目に浮かぶようでした。
ほぼ映画での登場順に曲が並んでいるのですが、「ハニー・ハニー」は娘役のアマンダ・セイフライドの若さが弾ける曲、「ダンシング・クイーン」「スーパー・トゥルーパー」はメリルたち熟女パワー全開の曲、「最後の夏（Our last summer）」は男優陣がしっとりと聴かせる曲、また「指をすべらせて（Slipping through my fingers）」は娘を思う母の気持ちを切々と歌い上げる曲、などアバのヒット曲それぞれのイメージに合わせて各シーンが組まれていたことに改めて感心させられました。
この映画を観て、自分もこんな風に年齢を重ねられたらなあ、と思いました。
とりわけ、メリルを始めとする女優陣は「もう自分は年だから」を口実に、自分から老いるようなタイプには描かれていません。
どうしても日本では、自分から老いるタイプの人が多いように思えてなりませんが、生きている限り青春と捉える前向きな姿勢こそ大事なのかも知れません。
ところで、タイトルの「マンマ・ミーア」とはスラングで「なんてこったい！」といった意味で使われている言葉ですが、これに本来の意味である「私のお母さん」を引っ掛けたセンスはさすがです。
勿論同名曲もお芝居の中に登場しますが、映画版では終盤近くに再度流れる形を取っていました。
ＣＤでは表向き、ラストシーンに流れる「私には夢がある（I have a dream）」で締める形となっていますが、実際にはこの後に、サプライズでもう一曲入っています。
何が入っているかはお楽しみとして、最後に柳沢慎吾さんからご推薦の言葉を頂きましたのでご紹介します。
「いい夢見せてもらったぜ！
アバよ！」
ミュージカルの聴かせ所が満載（2009.04.24）
【送料無料選択可】ロイヤルフィルハーモニーオーケストラ、クラ...
上記記事で取り上げた「マンマ・ミーア」以外にも、ミュージカル映画を観たことがあります。
「オペラ座の怪人」です。
2005年のことですが、これもほぼ舞台で演じられる内容に沿って映画化されていて、ミュージカルの世界を十分堪能できた作品でした。
この作品の劇中音楽を手がけたのが、イギリスの作曲家、アンドリュー・ロイド・ウェバー（1948生）です。
彼は、父親も作曲家、弟はチェリストという音楽一家に生まれ育ち、1960年代から80年代にかけて、様々なミュージカルナンバーを手がけ成功を収めました。
初期の頃は作詞家のティム・ライスと組んで「ジョゼフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート」「ジーザス・クライスト・スーパースター」「エビータ」などを手がけ、その後は他の作詞家と組んで「キャッツ」「スターライト・エクスプレス」「オペラ座…」など数多くのヒット作を世に送り出しました。
そんなロイド・ウェバーの代表作を網羅したＣＤがここでご紹介する「オペラ座の怪人〜ロイド・ウェバーの世界」です。
アルバムタイトルにもなっている「オペラ座…」からの楽曲が５曲入っているほかは、大体１作品当たり１〜２曲が収められているのですが、「ジーザス…」より「私はイエスがわからない」、「キャッツ」より「メモリー」、「エビータ」より「アルゼンチンよ泣かないで」「アナザー・スーツケース」など、どれもその作品の聴かせどころばかりを集めています。
どの曲も、ロイド・ウェバーオリジナルのオーケストラアレンジが使われており、そこに大人数の合唱団のための編曲が施されています。
演奏はイギリス伝統のオーケストラ・ロイヤルフィルハーモニック管弦楽団、合唱団はこれもイギリスを代表するクラウチ・エンド・フェスティバル・コーラス。
実際に舞台や映画を御覧になられた方は勿論、そうでない方にもその興奮と感動がきっと伝わることでしょう。
