乗り物談義��
シンダイシャタノム（2006.12.02）
「死んだ医者」ではなく「寝台車」の話です。かつて寝台列車と言えば、特急列車の中でも一番の花形でした。
青い車体に白い帯を巻いた「ブルートレイン」と呼ばれる列車が全国各地の主要幹線で活躍していました。
主に関東・関西と東北・九州を結ぶ列車が、ピーク時には日に30本近く動いていました。
私自身が寝台車を利用したのは、上野ー青森間の「ゆうづる」と札幌ー釧路間の「狩勝」がそれぞれ３回づつ、大阪ー青森間の「日本海」が１回、いずれも小学生か中学生の頃でした。
車中では、決して熟睡は出来ませんでしたが、寝台に横たわっているだけで多少は楽でした。（同じ時間椅子に座っているのに比べ）
また、車中泊とすることで、宿代も多少浮かせることができたように思います。
そんな寝台車も、最近では航空機や新幹線、あるいは夜行バスに押され、その本数も減る傾向にあります。ビジネスホテル並の料金で、設備はカプセルホテル（個室）かユースホステル（開放寝台）並、というのも敬遠されるひとつの要因かもしれません。
そんな客離れを意識してか、今時は普通の座席指定料金で乗れる「のびのびシート」などと呼ばれるカーペット敷の座席も見掛けます。先日、東京ー高松間の「サンライズ瀬戸」に乗った時これを利用しましたが、寝台よりは多少寝心地は悪いものの、寝返りが打てる点は椅子席よりまし、と思いました。
反面、今時の寝台列車の中には「北斗星」「トワイライトエキスプレス」のように、豪華さを売りにしたものもあり、この分野でも二極分化が進んでいることをうかがわせます。
コメント欄から
○九州に住んでいると、ダイヤ改正のたびに運行打ち切りや短縮など、どんどん切り捨てられるのが悲しくなります。
九州と東京を結ぶ超豪華寝台があれば少しは需要があるかなぁ。なくなるのは寂しいですね＾＾（ポン太）
●かつては、東京と鹿児島を結ぶ「富士」が、我が国で最も長い距離を走る特急でした。
今の「富士」は東京−大分間の運転で、しかも東京−熊本間の「はやぶさ」とのアベック列車となっています。
そういえば、「サンライズ瀬戸」も「サンライズ出雲」（東京−出雲市）とのアベック列車でした。
御指摘の通り、豪華な寝台列車は専ら本州と北海道を結んでいます。九州方面にも需要がありそうに思うのは私も同じです。 （うみがめ）
○ポン太さん、九州はまだマシですよ。会社をまたがった運行のものが多いので簡単には廃止できないんです。東京と東北とを結ぶ夜行なんて、「あけぼの」を除いてあっさり廃止されてしまいました。
先日も「出雲」が廃止されるとのことで、夜行がなくなる鳥取市や兵庫県但馬地方では反対運動が置きましたが、米子など山陰のみならず県内でも関係ない地域があったことや、「サンライズ・・・」と「スーパーいなば」とが接続することになったため結局は廃止されました。私は個人的にはサンライズには乗ってみたいですけどね。
夜行って個室化がまだ不十分でセキュリティに不安がありますし、単なる夜行ならバスのほうが安いですから、どうしても衰退しますね。逆にいえば、カシオペアやトワイライトエクスプレスのようにコンセプトとマーケティングとがしっかりした列車は生き残れるということでしょう。
狩勝って以前は昼行と夜行との両方があったんですよね。「だいせん」も両方ありましたが、JRになった頃は夜行のみでした。それでもミニ周遊券があった頃は、自由席なら往復に急行券不要の往復運賃分のみで京阪神じゅうを乗れることから、学生を中心にかなりの人気がありましたが、「周遊きっぷ」に変わってから利用者が激減しました。大阪への夜行バスも「だいせん」の通らない神戸を通って対抗してましたが（到着時刻を考えると兵庫県南部地震がひとごととは思えない）、今は一人勝ちのようです。
そうそう、わが東海地方にとって忘れられないのは電車寝台の「金星」ですね。唯一名古屋発着の夜行でしたので。多客期には客車の「金星５１号・５２号」（のち本家の撤退で「金星」に改称）も増やされましたが、こちらは私にとって国鉄（JR）の最寄り駅だった大垣にも停車してくれました。後のムーンライトながらである大垣夜行を除けば、ここ四半世紀で夜行が大垣に停車する唯一の列車でした。 （かじか）●複数の会社にまたがる列車と言えば、最近は新幹線の新規開業に伴い、平行する在来線がＪＲから切り離され第三セクターの会社になったことから、その会社に路線使用料を払うのをケチって長距離列車を間引きする、と聞いたことがあります。
東北方面への列車が激減したのはそのためでしょう。
「狩勝」は今の「まりも」ですが、仰る通り、かつては昼夜を問わず同じ名前の列車でした。 （うみがめ）
また逢おう！「富士」(2009.03.13)
(上記記事に関連して）
「富士・はやぶさ」も、この日の始発便を最後に廃止されました。これで東京と九州とを結ぶブルートレインは姿を消すことになります。
この本州と九州とを結ぶ列車の歴史も意外に古く、明治45年（1912）には東京と下関の間にわが国初の特別急行列車が運転を始めています。
実はその下関から、当時日本領であった朝鮮の釜山まで、鉄道連絡線としての関釜航路が運航されており、そこから先の鉄道や航路とも連絡し、朝鮮、満州、中国、さらにはシベリア鉄道を経由してパリ（フランス）、ロンドン（イギリス）に至るまでの国際連絡運輸が行われていました。その一翼を担う重要な特急だったのですね。
やがて昭和４年（1929）、その特急列車に「富士」「櫻（さくら）」という愛称がつけられます。
同17年の関門トンネル開通に合わせ、「富士」は運転区間を長崎まで延長しますが、翌18年に特急の名称はいったん廃止、更に翌19年には戦争激化に伴い運転が中止されました。
戦後の昭和23年（1948）、東京‐鹿児島間の急行に寝台車が連結されるようになり、これが後のブルートレインの原点となります。翌24年には特急の名称も復活しています。
同31年には、東京‐博多間に特急「あさかぜ」が登場、その２年後には青地白帯の車体に統一、ブルートレインの名称はここからつけられました。「はやぶさ」のデビューもこの年です。
一方「富士」の名は、昭和36年（1961）に四国連絡の電車特急として復活、同39年の東海道新幹線開業に伴い、その名は日豊線経由の寝台特急に受け継がれました。
以来40年余り走り続けた「富士」も、その歴史に幕を下ろすことになりました。
しかし、私にはどうしてもこれが最後とは思えません。
確かに東京と九州を結ぶブルートレインとしての「富士」は無くなりますが、また形を変えて「富士」の名が復活するような気がしてなりません。
前述の「さくら」も、平成17年（2005）に寝台特急としては廃止されましたが、再来年の九州新幹線全線開業に合わせ大阪‐鹿児島間に新たに登場する新幹線列車の名称として復活することが決まりました。
旧国鉄の特急として伝統ある名称の「つばめ」も、昭和50年（1975）にいったんは姿を消したものの、平成４年（1992）にＪＲ九州の在来線特急として復活、同16年には九州新幹線にその名が受け継がれています。
だから「富士」の名も、今後その名に見合うだけの格式を備えた列車が登場すれば、きっと復活すると思うのです。
今はただ、寝台特急「富士」には長い間お疲れ様、と声をかけてあげたいと思います。
コメント欄から
○上野駅やその近くの高架橋の上は、 鉄道マニアで埋まる日があります。
西村京太郎や斎藤栄の列車トリックも、 ブルートレインを知らないと、 わからないものが多々ありました。
上野はおいらの心の駅だ と誰かの歌にありましたが、 その多くは、寝台特急からの第一歩を、上野駅や東京駅で踏んだことでしょう。
おいらは車を持っていないので、 旅行は電車が多いです。
楽しみというか、移動手段が一つ無くなったような感じもしてます。 （Colour）
●確かに、この手の長距離列車は推理小説の舞台にもよく使われていました。
ブルートレインのような旅情を駆り立てられる列車は、今のような効率第一主義の中では生き残りにくくなったようです。（うみがめ）
○電車マニアではないし、詳しくもありませんが昔Nゲージが流行った頃に富士の車両を持ってました。いつかは乗ってみたいと思いつつ、その後自動車に乗るようになったら電車を使う機会がすっかり減って、気がついたら引退・・ついでに西村京太郎のトラベルミステリーも大好きなんですけど未だに電車の知識は深まりませんｗ
でも、一度でいいから乗ってみたかったなぁ富士・・ （まだらや）
●確かに、自家用車を使う機会が増えると、公共交通機関からはしだいに遠ざかってしまいますよね。かく言う私もそうですが…（うみがめ）
○富士山は、静岡県と山梨県に跨った山にも関わらず、 日本人の心の山なんだなぁという事が、 「富士」の行き先の変化（宇野・大分・宮崎・西鹿児島etc）から 見ても、うなずけますね。
日本が誇る「新幹線」の愛称にも、 やがては誕生の時を迎えるのでしょう(イノシシオ）
●実は東海道線に初の電車特急が登場した際に、その名称を一般公募したのですが、「富士」は今後それに見合った列車が登場した際のために取っておくという名目で候補から外されたそうです。
結局その特急は「こだま」という名前になったのですが、もしこのときに「富士」も候補になっていたとしたら、特急富士のたどった歴史も違ったものになっていたことでしょう。 （うみがめ）
○なるほど。そんな経緯があったのですね。知れば知るほど、興味深いものですね。
高度成長期と共に電車も発展の一途を辿ってきて、反面、なんだか人の心は置き去りにされていくような。
仕方のないことなのでしょうが。（おこめ）
●14日夜に、テレビでブルートレイン全廃を取り上げた番組をしていたのですが、そこでも「かつてブルトレは地方から都会へ集団就職する若者を運ぶ役割も担ってきた」と紹介されていました。
Colourさんのコメントにある「ああ上野駅」という歌は、正にそんな若者の気持ちを歌ったものですね。（うみがめ）
○ブルートレインは人気が高いですよね〜
あの、上品さがなんともいえませんグッ!! (￣ε￣〃)b （ま〜ま）
●そのブルートレインも、東京駅発着分は今回のダイヤ改正で全廃され、現在は上野や大阪と東北とを結ぶ列車が残るのみです。（うみがめ）
○わたしは鉄道ファンではないのですが、 何でも高速化、合理化至上主義で無駄なことを廃止してしまう……
そのような風潮を見直すべきですね。
あえて無駄なことを残しておく……という余裕も必要だと思います。
とくに娯楽や旅に関することは、 無駄な部分があってもよいと思いますね。
それだからこそ 叙情が生じ、 思い出が多く生まれるのだと思います。
非常に残念ですね。（みずなす）
●私も同感です。
最近は特に、いかに目的地まで早く着くかばかりを競い合っているような嫌いがあります。それだけ現代人が心のゆとりを持てなくなった証拠かもしれませんが、しかしだからこそ、ゆとりを感じられる乗り物の存在価値が高まるように思うのです。（うみがめ）
○ブルートレイン・・
あの車内の雰囲気、かかる短い音楽・・大好きでした・・
修学旅行でも確かブルトレ乗ったと思います・・
さみしくなりますね(バンビ）
●因みに、ブルトレの車内放送のイントロは「ハイケンスのセレナーデ」という曲だそうです。（うみがめ）
特急・急行・快速(2007.02.07)
今回は、列車の中でも優等列車と呼ばれるものについて思うところを。
特別急行（以下特急）といえば、かつては（今もですが）優等列車の中でも最上級で、リクライニングシートや食堂車など設備が充実し、外見もそれらしい貫禄のある車体だった、と記憶しています。
停車駅も主要駅のみに絞られ、料金もそれなりにお高いイメージがありました。
それが、新幹線という特急の中でも最上級の列車（超特急とも呼ばれる）の登場により、それと接続する形で各地の主要線区に特急が相次ぎ設定されるようになります。
特に、かつては急行しかなかった房総半島や四国に特急が登場した時は、子供ながら感激したものでした。
ただ、これらの地域に配属された特急車両には、食堂車というものが設定されませんでした。所要時間が短い事から、必要ないと判断されたのです。
その後作られた特急車両も（新幹線を含め）、合理化及び利用者の減少を理由に、食堂車は設定されないことが多くなりました。
私自身は食堂車を利用した事がありません。以前から列車で移動する際の食事は、駅構内の飲食店で済ませるか、あるいは駅売店やコンビニなどで仕入れた弁当を持ち込むかです。とはいえ、やはり食堂車といえば、優等列車のシンボルというイメージがあり、それが我が国では絶滅危惧種となってしまったのは寂しい限りです。
絶滅危惧種と言えば、それは急行列車にも当てはまります。
前述の通り、急行の中でも上級列車を特に特急と呼んでいたのですが、その大元である急行も、内外装は普通列車と大して変わらず、そのくせしっかり料金をとる、そんな中途半端な列車と見なされ、しかも使う車両の老朽化も進みました。そのため、車両をグレードアップする代わりに料金も高くする（つまり特急格上げ）か、車両はそのままで料金の要らない快速列車にするか、その二極分化が進められています。
かつては急行王国と言われた四国でも、徐々にこの二極分化が進み、現在急行と名のつく列車はなくなりました。
その影響でしょうか、特急の大衆化も進んでいます。
最近は、通勤や通学の足として特急を定期券で利用する人が増えています。（勿論料金は別途かかりますが）
停車駅も、かつての急行と同じレベルにまで増えました。
最早「特急」は「特級」に通じるとは言えなくなったように思います。
コメント欄から
○おいらの特急のイメージは、小田急線のロマンスカー！
（東京ローカルな話題ですいません。）
新宿から本厚木まで約１時間ですが、車内で食べるプリンやアイスが楽しみでした。
当時は、席毎にオーダーを取りに来たと記憶してます。
今でも、帰省の際に乗りますが、新幹線みたいに売りに来ます。
子供のときのあの優越感は薄くなったような気がします。 （Colour）
●私鉄の中でも、小田急や東武、近鉄などの特急は、名実共に特急と呼ぶに相応しい列車ですね。
小田急ロマンスカーには、家族で箱根に行った時に乗った事がありますが、それももう40年も前の話です。（うみがめ）
○新幹線や特急は子どもの頃憧れの的でしたが、今では普通に出張に利用しています。
残すは新幹線の「グリーン車」です。どのタイミングで乗ろうか考え中です。
グリーン料金を払えばいいだけなのですが、乗るときの高揚感みたいなものを味わいたいなぁって思っています。 （ポン太）
●確かに、グリーン車も庶民にとっては憧れの的ですね。
ただ、一時期仙台近郊では急行用の電車を普通列車に転用するにあたり、編成の都合でグリーン車がそのまま普通車に転用されていた事があります。私も一度それに乗り、グリーン車気分を味わいました。 （うみがめ）
○特急が変わったのは新幹線の成功によるところが大きいといわれています。つまり、ある程度の本数とパターンダイヤにより使いやすいという形が在来線にも導入されたのです。定期券で乗れるようになったのは、増収策と鉄道離れ対策、ダイヤ合理化のためでしょうね。
新幹線から食堂車がなくなったときは驚きましたが、長距離は飛行機に流れる時代になると、確かに必要ないかも。ちなみに鳥取大学を受験した帰りに豊岡への快速に乗ったら車内販売が来てびっくりしました。８８年のことです。
急行の特急化で確かに急行は激減しましたね。鳥取だと「砂丘」は不滅かと思ったのですが智頭急行経由の特急が登場してなくなりました。あと、周遊券があった頃は行き帰りの自由席急行料金はタダだったので、岐阜県へ帰省するのに鳥取から運賃分だけで米原まで行けてとてもお得だったり（だから、夜行の「だいせん」は自由席だけとても混んでました）、短期間鳥取まで戻るときには大垣で鳥取ミニを買って急行料金を浮かせたりしました。今の周遊きっぷにはゾーン券が要るので、そんなわけにはいきませんね。
グリーン車を普通車両として使うことは、首都圏等でもありましたよ。最近では特急の編成自体が普通や快速に使われることも多くなりましたね。（かじか）
●確かに、新幹線の登場をきっかけに、在来線特急の大衆化が一気に進んだことは否めません。
その象徴が1972年に登場したＬ特急でしょうか。
パターンダイヤによる定時発車、原則全車指定だった特急に自由席を本格導入など、その後の特急列車の方向性がこれで定まったように思います。
周遊券は私も何度か利用した事があります。まだ四国が急行王国と呼ばれていた頃にはこれが重宝しました。（うみがめ）
○2/11（日）に新幹線に乗ってきます。（笑）
フリーで仕事するようになってから 特急というよりも列車に乗る事すら なくなってしまいましたので （移動は専らマイカー） 久しぶりの新幹線にワクワクしてる自分がいます。
サラリーマン時代には、 月に1度は新幹線を利用していて、 ワクワクする気持ちを何処かに置き去りにしてたような 感じでしたが、今は子供に戻った気持ちです。
どことなく列車って熱くさせられますよねぇ。
つい先日、NHKの『趣味悠々』で 鉄道模型が取り上げられていて、 思わず童心に戻り、 夢中でTVに食いついてしまいました。（笑） （ＫＯＪＩ）
●確かに、私も最近はマイカーによる移動が多く、鉄道自体あまり利用しませんが、やはり鉄道には何とも言えない魅力がありますね。
鉄道模型は、私の兄も一時期夢中になっていました。（うみがめ）
ひかりは西へ (2007.03.17）
昭和47年（1972）の３月15日、山陽新幹線の新大阪ー岡山間が開業しました。東京ー新大阪間の東海道新幹線の延長という形でした。
当時東京ー岡山間は最速で４時間10分、テレビＣＭでもそれが強調されていました。
私が実際に利用したのはその年の夏休み、四国にある親の実家に帰省した時でした。
東京から新大阪までは、何度も利用していたから見慣れた車窓風景でした。新大阪を出る時、その先にどんな風景が展開しているかわくわくしていたのを今も良く覚えています。
新大阪を出てからの印象は、やたらトンネルが多いということでした。
大阪市内を離れて間もなく六甲トンネルに入りましたが、それは今まで経験したことがない長いトンネルでした。完全に抜け切るまでおおよそ５分はかかったでしょうか。
トンネルを抜けるとそこは雪国、じゃなく駅（新神戸）、その駅を出るとすぐまた長いトンネル、その後も頻繁にトンネルを出たり入ったりを繰り返しながら岡山を目指す、そんな感じでした。
結局、最短ルートで大阪と岡山を結ぼうとすると、どうしても山岳地帯を貫く形になってしまうからでしょう。このバターンはその後開業した岡山ー博多間や東北・上越新幹線などにも踏襲されています。
では実際、新幹線岡山開業によって東京から四国への移動はどれだけ速くなったのでしょうか？
確かに今までの新大阪発宇野行きの急行に比べれば、１時間程度の時間短縮にはなりましたが、当時子供だった私にはその実感がなかなか湧きませんでした。どの道、長時間列車に揺られることに変わりはありません。
コメント欄から
○確かにトンネルが多いですね。
メールを 返信しようとしても結構トンネルを気にして しまいます。
西へ北へと新幹線は発展しましたが四国へ のアクセスを早く解決して欲しいですね。
現有の線路ではきっとカーブがきつく高速 を発揮できないため今だ時間的な問題が解決 できないのでしょう。
この１年、高知、土佐清水の出張が多かったため しみじみ感じます。(防人）
●四国の鉄道について、確かに本州に比べれば立ち遅れた感じはあります。
とはいえ、カーブでもあまり減速する必要の無い振り子式列車の導入など、気動車の墓場と呼ばれた頃に比べれば、少しは改善されています。 （うみがめ）
○数年前に聞いたお話ですが、近年トンネル工事の自動化が進み、土地を買い上げることや橋を架けることを考えると、トンネルって意外と安上がりなんだそうです。(ポン太）
●なるほど、それで鉄道にせよ道路にせよ、新たに作られるものはほぼ例外なくトンネルだらけになる訳ですね。（うみがめ）
○便利になるのは良いことなのでしょうが、ゆとりみたいなものが失われているようで。（ＮＯＮ）
●それはあるかもしれません。 速さばかりが要求される一方で、旅情という部分はどんどん犠牲にされているように思います。（うみがめ）
○新幹線が岡山まで開業した頃と今とでは、宇高連絡線がなくなったうえ乗換え時間も不用となりましたし、うみがめさんご指摘の振り子車両導入もありますので、今はかなりよくなったんじゃないでしょうか。
私が鉄道ファンになった頃の１９７９年にはまだ、大阪から宇野へ夜行で行く「鷲羽」が生き残ってましたよ。
ちなみに東北新幹線が開業する前、「ひかりは西へ」をモジって「ひかりは北へ」と言う人もいましたが、こちらはあまり流行らなかったようですね。だいいち「ひかり」じゃなかったわけで。
防人さん、一時トンネル内に携帯電話の中継基地を設けようという話もあったように思いますけど、あれってどうなったんでしょうね。（かじか）
●そういえば、確か新幹線岡山開業の年に始まった、「超特急ファミリークイズ」というテレビ番組がありましたが、ご存知でしょうか？
オリエンタルカレー提供で、名古屋のテレビ局が制作していました。その為か、出場２チームが名古屋を起点にクイズに答えながら、一方は東京、もう一方は岡山を目指す、という番組でした。（うみがめ）
○うーん、覚えてないですね。まだ４歳にもなってなかったので。知ってるような気もしてならないんですけど。（かじか）
●その番組は毎週日曜日、午前11時からの放送でした。
制作は東海テレビ、司会は青空千夜・一夜（後に大野しげひさ）、沿線各地の系列局（フジ・テレ静・関テレ・ＯＨＫ）にネットされていました。（うみがめ）
ＪＲ20年の功罪(2007.04.11)
国鉄の民営化によって発足したＪＲ各社も設立から20年を超えた。
あの巨大組織を６つの旅客鉄道会社と貨物鉄道会社に分割するという大改革に対し、私は当初「本当に上手くいくのだろうか」という不安が先に立っていた。
では実際にはどうだったのだろう？
私が思うに、それは功罪相半ばする、といった感じだ。
東日本・東海・西日本の本州３社は、株式上場も果たし表向きは親方日の丸から脱却したと言えるし、職員の応対も、それまでの「乗せてやってるんだ」という横柄な態度から「乗って頂くんだ」という姿勢に変化しつつある。
また、四国や九州では、国鉄時代は本州でいいだけ使い古された車両が大量集結する、いわば「鉄道車両の墓場」と位置付けられていた（北海道は寒冷地仕様にする必要があるため比較的新型車も入りやすかった）。つまり、全国一律の組織の中で車両整備を考えると、大都市圏に新型車が重点投入されるから、赤字ローカル線を多く抱える地域は後回しにされるわけだ。四国や九州にも新型車が積極的に投入されるようになったのは民営化のおかげと言っていい。
ただ、国鉄時代から活躍する車両が、寄る年波に勝てず引退するのは、やはり一抹の寂しさを禁じえない。これについてやなぎさんは「さよなら。そして、永遠に・・・」（元記事リンク切れ）と題する記事の中で、こう書いている。（以下引用）
改めまして、東海道本線熱海から豊橋で走っていた湘南電車が全廃されてしまいました。最後の２週間を追い続けましたが、個人的には、思い出が絶えません。
一抹の寂しさといえば、輸送の効率化ばかりを優先し、旅情というものがどんどん犠牲となっている点も見過ごせない。この趣味に入って気が付いたら、湘南電車が走ってるのが、いつしか当たり前になってました。学生の時には、東京〜浜松を湘南電車に時間合わせて乗って帰ってきたこともあれば、駅で来るまで待ってたこともあります。
認めたくありませんが、時代の流れとして受け入れざるえません。東海道線では引退してしまいましたが、全国の一部では、湘南色ではありませんが、この形式の電車はまだ走っています。もちろん、湘南色の」まま走ってる路線もあります。
音を聞きたくなったら、乗りに行きます。
その日が来るまで・・・
その際たるものが自動改札である。
確かに、検札作業の効率化という点では画期的といえる。電子マネーと一体化したサービスも期待されるところだ。
しかし、本来不正乗車を未然に防ぐ為のこのシステムが、時に誤作動を起こし善良な乗客に迷惑をかける事もあり得る。
何より、「切符を買った以上は列車に乗ってくれるもの」という前提を始めから疑ってかかっているように思えてならない。検札は列車の中でも出来る事だ。
結局、自動改札は慢性的な混雑でそれが出来ない大都市圏だから成り立つものである。四国でも、一部の駅では導入されたが、果たして本当に必要か疑問に思ってしまう。
そして、輸送効率第一主義が最悪の事態をもたらしたケースと言えば、2005年に福知山線で起きた脱線事故であろう。
無理なダイヤ編成で乗務員に過度のストレスを与え、それが引き金となって多数の尊い命が犠牲となった。
鉄道に限らず、運輸業にとって最大のサービスはやはり安全だ。
それを二の次にしてまで輸送効率に拘った会社の責任は重い。
新幹線建設についても、作ったところで赤字は必至と言われているのに、これ以上作ってどうする、むしろ生活路線をこそもっと充実させるべきだと思う。
新幹線建設にかかる費用と赤字ローカル線を維持する費用とではどちらが少なくて済むだろう？（費用対効果の問題もあるから一概には言えないかもしれないが）
問題点ばかり挙げてしまったが、だからといって国鉄民営化は失敗だったとは思わない。
何より今更国鉄には戻れないだろう。
ＪＲ各社は今後とも利用者に愛さレール鉄道を目指し頑張って頂きたい。
コメント欄から
○私も基本的には同様の問題意識を抱いています。
特に安全性を犠牲にし 経済的効率性を優先させることの問題は、 ＪＲの列車衝突事故や列車脱線事故を考えると、 きちんと考えなければならない問題だと思っています。
「改革」を進めるときに、「改革」のプラス面だけではなく、マイナス面に注目しないと 人命のように取り返しのきかない結果を生み出すことでしょう。
その点ではＪＲ西日本は反省しているのか疑問に思えます。
加えて、 地方切捨ての問題は見過ごせません。
都市と地方の構造的な経済格差は、 それに追い討ちをかけているようです。
それは都市にとっても良くないことだと思います。（戌年男）
●仰る通り、過疎と過密は表裏一体の問題だと思います。
地方に魅力を感じないから都会へ出る、その民族移動の一方通行にどこかで歯止めをかけなければ根本的解決にはなりません。
その一方通行に結果的に拍車をかけたのが新幹線網かもしれません。（うみがめ）
○過疎線はどんどん放っておかれるようになったのがここ２０年ですね。大都市からみると地方の問題なんて「『も』ある」という他人事的視点がプンプンしてますが。
ところで新幹線ですけど、国が積極的でないと作れないんですよね。でも、これから出来る線なんて、たぶん本数はそう増やせないでしょうから、どうせなら普通列車も新線で走らせればいいのにね。むろん既存の線と離れてることは承知してますが、そういう線だって宿場や街道から外れて建設され、新たに駅を中心に賑わったわけで、そういう移動が時代を超えて再現されると思えばいいと思うんですね。コミュニティバス等と組み合わせればそんなに不便になるとも思えないんですけどね。（かじか）
●なるほど、そんな見方も出来ますね。
結局、運輸行政の良くないところは、鉄道・道路・船舶・航空をそれぞれ総合交通体系の中でどう位置付けるかという視点なしに、場当たり的な対応しかしてこなかった、ということでしょう。（うみがめ）
○おっしゃる通りです。１９８１年に千歳空港（旧）に国鉄が乗り入れたときは驚きの目で見られましたもんね。のと鉄道だって、高速化したうえのと空港経由に大胆に変わってたら、廃止どころか賑わったことでしょう。なのに「空港か鉄道か」って鉄道を廃止した大株主の石川県って・・・。（かじか）
●運輸に限らず、この国の行政は場当たり的な対応しかしていないように思います。
医療：病院や医師の地域や診療科毎の適正配分を考えない
放送：テレビ・ラジオ・地上波・衛星波をそれぞれどう位置付けるかの視点に欠けている
教育：詰め込み教育とゆとり教育の両極端を揺れ動くだけ（うみがめ）
○JR発足は大学生の時でした。
学内は過激派組織も加わり民営化反対で騒然とした記憶があります(^_^;
彼らの主張には一理あり、地方でも大都市と同じような公共サービスを受ける権利があるという考えは、今でも支持します。（もちろん、武力闘争を支持しているわけではないです）
なので最近流行の特区、とくに教育特区は今も大反対。住んでいる場所による差別だと思っています。（ポン太）
●まあ、実際は特定の組合に対する差別的待遇に腹を立てた、というのが本音でしょうが。（勿論差別はいけないけど）
地方の赤字路線は、利用者が少ない→止む無く値上げや減便をする→余計利用者が減る、という悪循環に陥っており、どこかでそれを断ち切る必要があると思います。（うみがめ）
○鉄道、特に貨物の輸送効率は、車よりはるかに効率がいいのにその点をもっとアピールできないものなんでしょうか。
貨物と客車を連結させる方法だって考えてもおかしくないんですよね。
地方都市に自動改札はいらないと思うし、その費用を利用客のサービスに回してくれたら。（poket）
●御指摘の通り、トラック輸送より鉄道輸送のほうがエネルギー効率がいいので、アメリカ辺りではモーダルシフトと言って、貨物輸送は鉄道へシフトする動きがあります。
その動きが日本に波及することを期待したいです。（うみがめ）
○ずいぶん前に、長距離トラックをコンテナのように貨物列車にのせて運ぶのをテレビで見た事があるのですが、最近聞かないので無くなってしまったのかなぁ？
ところで、 ＪＲの私鉄としての位置付けからくる問題は、考えていかなければいけない問題だと、思います。
僕は大阪に住んでいますが、在阪私鉄各社は沿線の街造りにも積極的です。
ですが私鉄化したＪＲは、「交通網」と「駅ビルの繁栄」が主眼だと見えます。
福知山線の事故は、競合他社（阪急電鉄と阪神電鉄）からのシェア奪取から起きた事故です。
競合他社は、自分たちが手塩にかけた新興住宅街の住民を、危険な状態で乗せる事はしてないと思います。
列車のイメージダウンは、新興住宅街のイメージダウンに結び付くからです。
価格競争は結構ですが、ＪＲのサービス向上については、再考してもらいたいですね。 （ミノリン）
●確かに、関西はＪＲと私鉄が並行して走っているから、利用者争奪戦は熾烈なものがあるのでしょう。プリペイド式のフリー乗車券も、始めのうちは私鉄系（ピタパ）とＪＲ系（イコカ）は互換性がありませんでしたから、両者のライバル意識は相当なものがあったのでしょう。
ただ、阪神間について言えば、阪急は山の手イメージ、阪神は下町イメージが強く、この両社の経営統合が果たしてうまくいくかどうかは私も興味があります。
間に挟まれたＪＲは他社との差別化のため無理を重ねているのかもしれませんね。
それにしても、そんな列車が日本にもあったんですか？知りませんでした。 （うみがめ）
○国鉄の民営化は未だに違和感を持っています。国は利益を求めるのでなく国民の必要最小限であってもよいので、確実な足を確保してもらいたいと思います。いろいろな付加価値で特色を持ったサービスは私鉄にまかせ、民営では成り立たない赤字路線の確保を追求するべきだったのではないのでしょうか。
高速道路も同じで、あれも国費で維持して流通コストを抑制すれば、現在の好景気は東京だけと言った現象は起こらなかったかもしれません。
湘南カラーがなくなる・・・寂しいですねぇ。
子供のころ葡萄色のゲタ電が大好きでした、あれはもう全く見ることができませんねぇ。１０３系が混じりだした頃はゲタ電が来るのを待って乗ったもんです。（CHEVYS BAR）
●所謂旧型国電ですね。私が子供の頃もたまに見かけました。ただ、主要な通勤線からは既に引退しており、郊外路線に活躍の場を移していた頃です。それらも民営化を前に殆んど引退してしまいました。
発車・加速時のモーターのうなる音が何ともいえぬいい味を出してましたね。（うみがめ）
○国鉄民営化は、僕が小学生の頃でした。その頃は「にわか鉄」みたいな感じでしたが、今ではドップリ浸かってます。僕的な考えとしては、新幹線こそ、ＪＲから切り離し、別会社にしてみればと思います。そうすれば、ローカル線や在来線の特急も見直されるかと？数年後には、北海道新幹線の工事が着工されます。おそらく、東京・大阪〜札幌を結ぶ寝台特急も消されると思います。
本来の輸送サービスは、速いだけではなく、快適さや便利さも求めなくてはならないと思います。その辺の見直しもされれば、本当の意味での「乗っていただく」サービスになるでしょう。（やなぎ）
●それも一理あるかもしれませんね。
新幹線開業に伴い、平行する在来線が別会社に切り離されている現状も、やなぎさんの論理でいけば逆ですよね。
確かに、便利・快適も重要なサービスですが、やはり最大のサービスは安全ではないかと思います。 （うみがめ）