うみがめ波瀾万丈・成年編��
結婚への道・プロローグ（2007.01.10）
学生時代の私は、恋愛というものに対して、はっきり言って引き気味でした。
「決して細身・長身・２枚目ではない、むしろ悉くその反対の自分なんかもてるわけない」「今はいろいろ忙しい」「学生にとっては恋愛よりも大事なのは勉強だ」などと勝手に恋愛に壁を作って、自ら身を引いてしまうところがあったのです。
もしかしたら、その引きの姿勢は、恋愛・失恋・性交渉あるいは結婚に対してどこか臆病になっていたせいかもしれません。
そのくせ寂しがりなところもありました。同級生の中にもてる人がいたりすると、無性に羨ましく思ったりした事もあります。
そんな私も、遅ればせながら国試合格を果たし、社会人となったのですが、その時既に30過ぎでした。
かつての同級生や親類などからは「結婚はまだか」などと聞かれる機会も多くなり、その都度「こればかりはご縁ですから…」と言って逃げていました。
確かに、結婚というものにとらわれない生き方もありますが、前述の通り寂しがりな私にはそれは耐えられない、と思いました。
だからと言って、近場、つまり病院関係者の中から相手を探す気にはなれませんでした。それではあまりにお手軽すぎる、家に帰ってまで仕事を持ち込みたくない、何よりもっと広い世界から相手を探したい、そう思ったのです。
そこで、２年間の研修医生活を終えた1998年の春、思い切って広い世界に飛び出すことにしました。とある大手結婚情報サービス会社に会員登録したのです。
ここなら、様々な地域や職種の女性の中から自分にとってのベストパートナーがきっと見つかる、そう単純に思ったのです。
そこでの活動の中で、現在の妻と巡り会えたのですが、そこに至るまでには、ときに、愛のない関係を持ったり、「惰性」で関係を続けてしまったり、いまいちパッとさせることができなかったり、と紆余曲折がありました。
結婚への道・試行錯誤（2007.01.11）
結婚情報サービス会社に登録してしまえば、すぐにでも相手が見つかる、始めのうちはそう思っていました。
しかし、それは甘すぎる考えでした。
会社からは、双方の条件に合った人を紹介するマッチング・シート（会社によって呼び名は違いますが私のいた所は確かそう言ってました）が毎月送られてきました。気に入った相手がいれば交際申込書を送るしくみですが、いくらこちらが気に入っても、相手にも選ぶ権利がありますから、会うことなく断られたり、実際会ってみた所でやはりこの人とは合わないと思われればそれまでです。
入会してまず、８月から11月にかけて、何れも高知在住の女性３人とお会いしたのですが、立て続けに断られました。
何分、相手の女性とどうやって向き合えばいいかがまだ十分にわからず、その為相手に良くない印象を与えていた、今ひとつぱっとさせられなかったのかもしれません。
その一方で、全会員向けの会誌にも、広く交際相手を募集するコーナーがあり、そこに出ていた人の中にも気になる人がいました。その年の９月のことです。
彼女は千葉県在住で、私より３つ年下、「健康的で煙草を吸わず、出来れば医療関係者希望。地域不問（海外も可）」という相手への希望や、彼女自身のセールスポイントを読んで、何か感じるものがありました。早速交際を申し込み、返事が来たのが10月末でした。
電話や手紙でのやり取りをしばらく続け、私が親元に帰省した時期を利用して直接会うことにしました。
初めて会ったのはその年の大晦日、彼女の案内で映画館やボウリング場に出かけました。
今度こそうまくいく、私はそう思いました。
しかし、彼女はそうは思っていませんでした。
これは後で知ったのですが、そもそも、映画館やボウリング場は、ある程度親密になった頃に出かけるべき所、いくら前もって電話や手紙のやり取りをしていたとしても初対面で行くべき所ではありません。
更に、彼女への誕生日プレゼントとして、ある通販業者が扱っていた「100本の花束」を贈ったのですが、これが彼女には有難迷惑となったようでした。
結局、翌年春の連休に再会した時、別れ際彼女から言われたのは、
「貴男はとても優しい人。でもどこか物足りなかったわ。ごめんなさい」
断りの返事でした。
そういえば、彼女からの手紙も、年が明けてからのものはどこか突き放したような内容になっていました。
きっと実際に会ってみて、想像していた人と違う、と私への気持ちが冷めてしまったのでしょう。
何より、千葉に住む人が、いくら地域不問と言っても、高知までそう簡単に来て下さるはずがありません。
そんな彼女の変化に気付かなかった私は、相手から正式に断られるまで惰性で関係を続けてしまったのでした。
結婚への道・医師である前に…（2007.01.12）
千葉の女性に断られて以降も何人かとお会いしましたが、どうしてもこの人でないと、という良縁には恵まれませんでした。私が登録していた大手結婚情報会社は高知に営業所がなく、その為にどうしても県外の人が中心となっていたのも一因か、と考えた私は、1999年の９月に高知市内にある結婚相談所にも会員登録しました。
そこは、面倒見の良さそうな女性が経営している所でした。実際その経営者は、大手のアドバイザーと違って、痒い所に手が届くような的確なアドバイスを下さりました。
前回触れた、映画館やボウリング場は、ある程度親密になった頃に出かけるべき所と言う話も、その方から聞いたものです。
他にも、「貴男はどうしても『自分なんて…』と思いがちだけど、もっと自分に自信を持っていいのよ」とも言われました。
確かにそれまでの私は自分を殊更に過小評価しがちでした。そんなつまらない男と結婚したい、と思う人が果たしてどれだけいるでしょうか？
もしここと出会えてなかったら、自分は未だに独身だったかもしれません。
しかし私は、この相談所でもう一つ、厳しい現実と向き合う事になります。
それは、医師である自分に対する世間一般の視線です。
ある時、この相談所が主催する見合パーティーに出席したのですが、結局ここでも良縁には巡り会えませんでした。
と言うのも、このパーティーは女性の参加費は無料というのが売りで、そのせいか、女性側は医師である私に対し、明らかに引いた態度を取っていたのです。
「お医者さんって、大概看護婦さんと結婚するものだとばかり思ってました」とも言われました。
つまり、一般家庭のお嬢さんは医師に対して近寄り難いイメージを持ち、結婚相手としては意識してない、という現実を目の当たりにしたのでした。
これとは逆の経験もしました。
その相談所は「日本仲人連盟」「日本ブライダル連盟」に加盟しており、連盟に加盟する他地域の相談所にも私のプロフィールが配信されていました。
それを見たある仲人さんが、是非紹介したい人がいると言って、相手の方の身上書を送ってきました。
その人は、東京在住の開業医令嬢で、私より１つ年下でした。
「家には娘が３人（その人は三女）、跡取りとしての婿養子求む」というのが先方の条件でした。所謂逆玉です。
会うだけ会ってみようと思い、見合の席に向かいました。すると今度は私のほうが完全に引いてしまいました。
相手の女性は正にセレブを絵に描いたような人だったのです。
これじゃ絶対釣り合わない、住む世界が違いすぎると思いました。
それこそ、男性は医師限定という業者で、むしろ女性の料金を高く設定しているところにいそうな感じの人でした。
恐らく先方も私のことをサラリーマン家庭出の成り上がり、これじゃ釣り合わないと思ったのでしょう、当然のごとく断ってきました。
先方の仲人としては、ただただ医師であれば誰でもいい、というお考えだったかもしれませんが、そんなの通用しません。度台、この縁談は無理がありすぎました。
結局、何れのケースも「医師である私」しか見えてないから起こったのであって、それ以前の「一人の男としての私」が全く評価されていなかったのです。
結婚への道・ああ、ややこしい（2007.01.13）
高知の結婚相談所と契約したのとほぼ同じ頃、私の両親の所にも、香川に住むある親類から、私の為に仲人を世話しようという話が持ち込まれました。
これを親から聞いた私は、生かせるチャンスは出来るだけ生かそうと思い、了承しました。
しかし、親類が間に入ると話はややこしくなるものです。
その叔父が世話したのは、地域では顔が利くとされる人物でしたが、何せこの人、実は仲人経験ゼロでした。だから結局は、女性を世話する百戦錬磨の仲人のペースに乗せられてしまったのです。
10月にまず最初の見合をしたのですが、結局断られました。その時点で、私の身上書は叔父の知り合いに返却されるはずでした。
ところが、先方の仲人が私を大層気に入り、「どうしても合わせたい人がいるから」と言って、身上書をそのまま抱え込んだのでした。
それが、更にややこしい事態を招いたのです。
数週間後、叔父の知り合いは別な仲人から紹介された女性との見合を設定したのですが、実はそれと同じ日に、最初の仲人が別な見合をねじ込んできたのです。
まあ、同じ日でも時間をずらせば双方とお会いできますから、ひとまずお受けしました。
この二人のうち、先に交際ＯＫの返事をくれたほうとお付き合いすることにしましたが、先に返事をしたのは、後からねじ込まれたほうの女性でした。
その人は父の生家のある町に住む人で、私より３つ年下でした。以前は代用教員をしていたが、今は辞めているとのことでした。どうして代用かというと、なかなか教員採用試験に合格できなかったからだそうです。
初対面の時、正直言って私はあまり好印象ではありませんでした。
顔に赤いあざのようなものがあり、そのせいか、どことなく表情が暗く、陰気な印象でした。でも「その顔、どうしたの」とこちらから切り出すのは失礼と思って、向こうから切り出すのを待つ事にしました。
結局、彼女が病気について切り出したのは３度目に会った時、それも母親同伴で高知に会いに来たときでした。
実は、その少し前にこの母親から手紙を頂いたのですが、その中にこんなことが書いてあったのです。
今回の縁談、親戚一同大層喜んでおります。
「何もかもわかりあった上での縁談、本当に良かった」と。
ちょっとちょっと、こっちは何もわかってないのに…と突っ込みたくなる内容でした。
それは先方も、手紙を書いた直後に気付いたのでしょう、いわば母親に促される形で、彼女は長年天疱瘡に悩まされてきたことを話してくれました。
これで胸のつかえが取れた私は、自分自身も甲状腺の病気と長年付き合っている事、また医師国家試験に何度も失敗した事を話し、これでお互い胸のつかえが取れたはず、と思いました。
しかし、彼女の考えは違いました。
きっと他にも何か隠してるに違いない、そう思うようになったのです。
そのせいでしょうか、４度目に彼女と会った時、２人の関係は完全にギクシャクしたものになっていました。
もうこれ以上愛のない関係を続けたくない、私はそう思うようになりました。
しかし、あまり結論を急いではいけないと親に説得され、年明けに２人で金毘羅参りをしよう、という約束を取り付けることにします。
これに対して叔父は、「金毘羅はやめたほうがいい。あそこは縁切りのお宮さんだ」と言いました。
結局、お参りする前に切れてしまいました。
年明けに叔父からの電話で、彼女が正式に断ったと知ったのです。
これは後から知ったのですが、他にも隠し事があったのは、実は彼女自身でした。
彼女はそもそも結婚を全く意識していませんでした。しかし、香川でも田舎のほうに行くと、「30過ぎた娘がいつまででも一人でいるなんて…」という周囲の視線は厳しいものがあり、親や親類は何が何でも娘を片付けたいとあせり、ちょっとでもいい縁談があると、それに乗ろうとしていたのです。最初の仲人は、その親類とも顔なじみで、たまたま別な女性の為に紹介された私を件の娘とくっつけよう、と目論んだのです。
もう結婚については親類の世話になんかなりたくない、そう思いました。
結婚への道・嬉しい誤算（2007.01.15）
高知の結婚相談所や、香川の親戚筋からの紹介を受けるようになってからも、それ以前から登録していた大手結婚情報会社での活動は止めませんでした。
むしろ、活かせるチャンスはどんどん活かそうと、全会員向け情報誌にも自分のプロフィールを載せることにしました。99年９月、高知の業者に入会した頃のことです。
実際に掲載されたのがその年の11月、親戚筋が紹介した女性と交際を続けていた頃です。
交際申し込みの返事がそんなに来るとは思えない、せいぜい10人位から来ればいいほう、そう思ってました。
しかし、結果はこちらの予想を大きく裏切るものでした。
12月の初旬に交際申込書がまとめて送られて来ましたが、その数なんと54通！これは嬉しい誤算でした。
と同時に、この中のどれだけの人が，医者としてでなく１人の男として自分を見ているのだろう、と気になりました。
前回・前々回のログでも触れた通り、向こうには医者である自分しか見えてなかったことで、自分の意に反した相手を当てがわれる事には正直うんざりしていたのです。
そこで、交際を申し込んだ54人の女性全てに、手紙を出す事にしました。
交際申込書に書かれただけの情報では相手の本質が見えない、一方こちらのことも情報誌に出ているだけでは不完全にしか伝わらない、そう思ったのです。
手紙には写真を添えました。やはり外見を気にする女性はこれで引いてしまうと思ったからです。
また、「医者はあくまでも専門職、特権階級ではない」といったことも書きました。医者の収入や社会的地位が目当ての女性はこれで引いてしまうと思ったからです。
勿論「人の痛みを出来るだけ理解しようと心掛けている」などの、自分のセールスポイントも書きました。
さすがに病気のことや遠回り人生のことは、ある程度自分のことがわかってもらえた後に話す事にしましたが、この手紙によって、多過ぎる申込者をある程度ふるいにかけられる、と思いました。
その狙いは的中しました。
手紙への返事をくれた人の中には、「私には立派過ぎます」「写真を見て、どうしても結婚したい相手とは思えなくなりました」などと、断る内容のものもありましたが、逆に「医者である貴男を選んだわけではありません」「貴男の人柄に触れ、涙が出るほど感激しました」などと、好意的な返事を下さった方もいました。
こうして、54人から20人程度に絞り込む事に成功しました。
その中の一人が、今の妻です。
しかし、ここまでたどり着くには、もう一波瀾も二波瀾もあったのでした。
結婚への道・とんだ横槍（2007.01.17）
親戚筋からの縁談が破談に終わったことで、そもそも自分には間に仲人を立てる旧来型の見合は向いてない、と痛感しました。それに、結婚情報会社の会誌を見て申し込んだ女性達ともまだ殆んど会えてない状況だったから、もう新たな見合は受けまい、そう決めたはずでした。
しかし、思い通りに事は運ばないものです。
せっかくの縁談が破談に終わったことに責任を感じた叔父は、今度こそ決めてもらおうと思ったのでしょう、別な仲人を世話すると言ってきたのです。2000年１月上旬のことでした。
親は早速先方に身上書と写真を送付、３月に見合が設定されます。どうせまた断られるだろうから、と軽い気持ちで受けることにしました。
ところが、これも誤算でした。
見合に先駆け、今度の仲人にお会いしたのですが、「医者の嫁ならせめて４年制大学は出てなければならない」（叔父もそこまでは求めていなかったのに）「２〜３回お会いした所で結論を出してもらう」などと言ってきた事から、随分強引な人だな、と思いました。
無理もありません。その人は元々自動車販売会社でセールスの仕事をしていた人で、会社員時代から多くの部下の縁談を取りまとめてきたと言います。
なるほど、強引なわけだ。
別に相手の女性に不足があった訳ではありません。
彼女は、実家が寺の住職をしており、彼女自身も県庁に勤める、縁談としては申し分ないものでした。
もし、叔父が最初からこの仲人を世話してくれていたら、私は彼女と結ばれていたかもしれません。
でもタイミングが悪すぎました。
どうせ駄目さと思って臨んだ見合でしたが、仲人から「次は何時何時に会うように」と言われるがままに交際を進めざるを得ませんでした。
お互い気乗りしない見合、仲人が言うように３度目会った後で結論（勿論断りの）を出そう、そう決意しました。
それを実行に移し、自分としてはこれですっきりしました。
しかし、実は彼女は私を気に入ってたらしいのです。
断った後で彼女の親から届いた手紙でこのことを知りました。
結果的に叔父の面目を潰すことになり、親からはかなりきついお叱りを受けました。でも、自分には他に好きな人がいる、そもそもこの縁談は受けたくなかった、と言って、決して悪気がなかったことをわかってもらいました。
その「他に好きな人」とは…
結婚への道・他に好きな人(2007.01.18)
結婚情報会社の会誌を見て交際を申し込んだ人は54人、そのうちこちらからの返事を読んで、離れていかなかった人は20人ほどでした。
それでもまだ多いことから、年が明けた頃彼女達に再度手紙を出しました。内容は、病気持ちであること、遠回り人生を歩んできたことが中心でした。
電話よりも、手紙もしくは直接会った時に話すべき内容だと思ったからです。
その結果離れていった人も勿論いました。
でも、約半数の人は「それでも構わない」と言ってくれました。
その中の一人が、お察しの通り今の妻です。
でも実は、彼女の他に好きだった人もいました。
その人は奈良県在住で私より５歳下、大阪の医療法人で栄養士をしていました。実家は愛媛県の東予地方（香川との県境に近い地域）にあり、短大進学を機に関西に移り住んだとのことでした。
いずれ四国に帰りたいという願望はあったものの、なかなかその機会に恵まれなかった、そんな時、ふと見かけた会誌に高知在住の男性（つまり私）を見つけ気になり、交際を申し込んだと言います。
実は彼女も、私同様甲状腺の病気を抱えていました。その点でも、私には何か惹かれるものがありました。
彼女とは、２月に大阪、４月に高知で会う機会を持ちました。
４月の時は、実家に帰ったついでに母親と共に来高、その母親にもお会いしました。
彼女は別れ際、５月の下旬に管理栄養士の国家試験を控えているからしばらく会えない、と言いました。
それが彼女と会った最後でした。
５月になってすぐ、彼女から手紙が届いたのですが、それにはこう書いてありました。
あの後親とも話し合ったのですが、やはり私には色々と刺激の多い都会で暮らすのが性に合っています。
申し訳ありませんが、もうお会いできません。
これは推測ですが、彼女の親も娘の病気持ちを気にしており、ましてこの私も同じような病気を抱えていた事から、もし子供に遺伝したらどうする、あの男だけはやめとけと言う気持ちがより一層強かったのでしょう。
いくら本人達が惹かれあっても、それだけではうまくいかないこともある、それを痛感した出来事でした。
結婚への道・そして遂に…(2007.01.19)
彼女の交際申込書を見た時点では、ただ今回申し込んだ人の中では比較的近くに住んでいるというだけで、特別な感情はありませんでした。
無理もありません。私が会員登録していた大手結婚情報会社は高知に営業所がなく、一番近い営業所は松山と岡山（今は高松にも出来た）でしたから、近場といっても愛媛県や岡山県がせいぜいでした。
しかし、先方の申し込みに対する返事に対して、更に色よい返事をくれた人の中でも彼女が一番近場にいるとわかり、何だか気になる存在になっていきました。
父親が開業医であることは後で知ったのですが、別に気になりませんでした。向こうは別に娘婿に跡を継がせようということには拘ってませんでしたから。
彼女と初めて会ったのは2000年１月９日、高知でのことでした。
手紙に写真が添えられていたので、大体の雰囲気はわかってましたが、実際に会ってみて、目鼻立ちの整った美人であると共に、結構豊満な体の持ち主である事に惹かれました。（決して体が目当てで付き合ってた訳ではないので念の為）
彼女と話していて、とてもこれが初対面とは思えませんでした。もう何年も前からの知り合いであるかのような感じがしました。大抵初対面ではどちらか（あるいはお互い〉が緊張して自分の思う事もうまく話せなくなるものですが、これも彼女の人懐っこさ、誰とでもすぐ打ち解けられる性格のなせる技でしょう。
１月の終わりにもう一度高知で、２月と４月には岡山で彼女と会う機会を持ちました。
丁度前回・前々回登場した女性と平行してお付き合いしていた事になりますが、彼女達とは御縁にならなかったことで私の気持ちは固まりました。
この人こそ自分が捜し求めていた人だ。結婚を決意しよう、と。
５月に、三度彼女が高知に来ましたが、このとき私は、初めて彼女を自宅に招きました。
今までは、そこまでの段階に行く前に終わってましたから、私の決意の現れです。
６月に、彼女の父親とお会いして正式にご挨拶、すると父親からは「どうか娘を宜しく」と言われました。
元々私の親は、息子が選んだ相手だからと頭ごなしに反対する事はなく、それだけに彼女の親が娘の結婚を応援していたのは心強かったです。
７月には双方の両親を交えて面談、10月には結納の儀を取り交わし、そして2001年１月15日高知市役所にて婚姻届提出、19日ハワイ・プリマリエ教会にて挙式と相成りました。
式に参列したのは双方の両親、彼女の次姉一家と妹でした。私の兄は仕事の都合で、彼女の長姉はお産を控えていて共に欠席でした。